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プロ野球

【2019引退・野手】名球会入りした阿部慎之助や福浦和也。日本一を知る今江年晶、田中賢介らも現役に別れ

藤原彬

2019.12.31

 99年のドラフト2位で3球団から指名された田中だったが、一軍定着までは時間を要した。二塁の定位置を掴んだ06年、主に二番打者としてリーグ最多の34犠打を成功させながら、初の規定打席クリアは打率3割超え(.301)。同年、日本一に輝いた日本ハムは翌07年にリーグ2連覇を果たすなど、田中の成長とともにチームは上昇気流へ乗った。13年にはジャイアンツでメジャーデビュー。15年に日本ハムへ復帰し、04年の北海道移転後ではチーム最多となる通算1446試合と1422安打を残した。
 
 上記の4人に通算成績では及ばないながら、勝るとも劣らないインパクトを残したのが畠山和洋(ヤクルト)とエルドレッド(広島)だ。

「練習嫌い」を自認する畠山は規定打席到達が5度だったが、15年にはリーグ最多の105打点を叩き出してチームのリーグ優勝に貢献。親しまれた100kg近くの体格が示すようにパワーを最大の長所とし、11年にはリーグ最多の78四球を選んだ選球眼も備えて、三振の数が3ケタに乗ったことはない。通算OPS.774は今季の引退選手で実質3番目の水準だ。

 昨年まで広島でプレーしたエルドレッドも、今年8月に現役引退を表明した。12年6月に来日すると、14年には飛距離を見せつけながらリーグ最多の37本塁打を放り込んだ。ファンから親しまれた“カントリー”の通算長打率.508は阿部(.495)をもしのぐ。
 
 大引啓次(ヤクルト)ら名手は守備で魅せた。

 安定した守備でプロでもショートを務めた大引はリーダーシップが評価されることも多く、オリックス、日本ハム、ヤクルトの3球団でいぶし銀のプレーを披露。今年の8月23日には通算1000安打に達し、戦力外通告を受けた今オフは現役続行の道を模索していたが、年の瀬に引退を表明した。数多の打球とともに2回のゴールデン・グラブを掴み取った荒波翔(モンテレイ)は、昨オフにDeNAを戦力外となって、今季はメキシコでプレーしていた。赤松真人(広島)と言えば、10年8月4日に見せたホームランキャッチだ。本拠地マツダスタジアムの外野フェンスによじ登ってのスーパープレーは国内外で広く紹介され、同年はゴールデン・グラブ賞を受賞している。

 持ち味を垣間見せながら、レギュラーの座をものにできなかった選手もいる。

 岩本貴裕(広島)は2年目の10年に61試合で14本塁打を放ち、江川智晃(ソフトバンク)も13年に77試合で12本。中川大志(DeNA)は13年にイースタンリーグで本塁打(15)と打点(71)の二冠を獲得したが、一軍の壁に阻まれた。大学時代に日本代表で主将を務めた伊志嶺翔大(ロッテ)は1年目から32盗塁と持ち前のスピードをアピールしたが、外野競争を勝ち抜くことができず。橋本到(楽天)もチームの積年の課題であった「1番・センター」に名乗りを上げながら、定着とはならなかった。
 
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