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プロ野球

「高校野球の時みたいに一球一球に泥臭くやりたい」4番奪回へファームでもがき続ける中日・石川昂弥の“現在地”【後編】<SLUGGER>

加賀一輝

2025.05.28

「プロ野球は143試合あって、その1試合で負けたら終わりとかではないので、そういう気持ちがだんだん薄れていっている気がすごくするんで。簡単に三塁線を抜かせるんじゃなくて、飛びついてでも止めようとするとか、捕れなかったとしてもそういう姿勢を見せていきたい」

 使い古された言葉かもしれないけれど、「がむしゃらに」ということか。

「それが難しいんですけどね。この1試合に懸けるというか、気持ちを込めてやりたいなと思います」

 プロ入り以降、「この1試合に懸ける」ことはできなかったかもしれない。チームはポストシーズンから10年以上遠ざかっている。

「クライマックスシリーズや日本シリーズに行けばあるんでしょうけど、普段のペナントレースだとなかなかそういう気持ちを出すのは難しいと思う。チームの全員が全員、めちゃくちゃ若いわけでもないので、そういう気持ちになるのは難しいと思うんですけど。もう1回、そこを思い出してやりたいとは凄く思います」
 ヒリヒリした試合とのつながりで言えば、侍ジャパンへの想いは?

「もちろんありますけど、まずは自分のチームでしっかりやって結果が出たらの話なので。そこを見据えてというよりかは、チームのために全力でやって選ばれたらいいなと」

 球場に足を運ぶと、今でも石川昂のユニフォームを着て応援するファンが老若男女問わず多い。やはりドラゴンズファンは背番号「25」に夢や想いを託しているのだ。応援歌にも「昂弥!」と叫ぶ箇所があり、その名の通り「昂(たかぶ)る一打」を今後、何度も見せてもらいたい。

「ドラゴンズファンの方は凄く熱い応援をしてくれる。その期待に応えたいといつも思っています。今に二軍にいますけど、順位もまだどうなるか全体的に分からない状態なので、万全な状態で一軍に上がって。上がる時はまた4番で使ってもらえるように、そこからずっとチームの勝ちに貢献できるよう、しっかり今をやりきりたい。いろいろなことを考えてやりたいなと思います」

取材・文●加賀一輝

【著者プロフィール】
かが・いっき。1988年3月6日、愛知県生まれ。成蹊大学卒業後、一般企業を経て独立。ライティング、MCなど幅広く活動する。2016年~23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』などへの寄稿を経験。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。

【記事】「理想の感覚からすると50~60%くらいですかね」4番奪回へファームでもがき続ける中日・石川昂弥の“現在地”【前編】<SLUGGER>
 
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