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プロ野球

「理想の感覚からすると50~60%くらいですかね」4番奪回へファームでもがき続ける中日・石川昂弥の“現在地”【前編】<SLUGGER>

加賀一輝

2025.05.28

今はファームで鍛錬に励む日々。理想の感覚をつかむまでバットを振り続ける。写真:加賀一輝

今はファームで鍛錬に励む日々。理想の感覚をつかむまでバットを振り続ける。写真:加賀一輝

 長く低迷が続く中日ドラゴンズにおいて、若手の爆発的な成長は欠かせない。その中でも石川昂弥への期待は最も大きいのではないか。

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 ただ、これまでのキャリアを振り返ると、周囲の期待に100%応えてきたとは言い難い。むしろ、伸び悩んでいる印象が強い。高卒6年目の今季は井上一樹新監督の意向で「4番・三塁」を任されたが、攻守に振るわず開幕から2週間でファームへ。それから1ヵ月以上、一軍の公式戦から遠ざかっている。

 本人は今の状況をどう感じているのか。ファームの本拠地・ナゴヤ球場を訪ねて話を聞いてみた(取材日:5月16日)。

「打球とか打った感覚は良かったですね。(打ったボールは)抜けたカットボールだと思うんですけど、崩されずにうまく呼び込んで打てたかなという感じです」

 取材は阪神との二軍戦直後に行われた。この日の石川昂は最初の打席から四死球が3度続き、空振り三振を挟んだ後、8回の最終打席にセンターオーバーの二塁打。上のコメントはその二塁打についてのものだ。

 4月12日の一軍登録抹消以降、ファームで打撃を作り直しながらの実戦出場が続く。5月10日の広島戦では今季1号本塁打を放っているが、現状をどう感じているのか。

「うーん。正直、なかなかこれと言った感覚が自分の中ではあまりなくて。それを見つけるために、本当にいろいろなことを試しているんですけど。その中でも、ホームランが出てからは長打も出ていますし、ちょっとずつではありますけど、良くはなってるかなとは思っています」
 186cm・100kg(公称)の大きな身体で表情を崩さずに答える石川昂。口ぶりや雰囲気からは"大物感"が漂う一方、話の内容は不安を内包しているように感じた。

「まだ万全とは言えないですし、50~60%ぐらいですかね。理想の感覚からすると」

 理想の感覚とは?

「例えば、真っすぐを狙った中で変化球が甘く入ってきたらそれを前でさばけたりとか。真っすぐに差し込まれたと思った瞬間に振り出しても、芯に当たってライト前に行ったりとか。ボールを見逃す時も低めの変化球やボール球は自分の中で自然と消える。もう、消えていく感覚なので。その感覚がまだないです」

 感覚だからこそ、突然フッと現れたり消えたりするものなのだろうか。

「だから今、これだけ長い期間いろいろなことに取り組んでいます。本当、一瞬でハマるかもしれない。感覚が一瞬で出ることは全然あると思います。バッティングは難しい? シンプルに考えたいんですけど、難しいですよね」
 
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