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MLB

「絶対に成功してやる」という強い気持ちと集中力、長期的な視野――『SHO-TIME 3.0』の著者が考えるカーショウと大谷翔平の共通点<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2025.05.30

――23年オフに大谷がFAになった際の“争奪戦”の過程についても筆が割かれていますが、ドジャース以外ではどのチームが最も獲得の可能性が高かったと思いますか?

「本にも書いた通り、ジャイアンツやブルージェイズも有力候補でしたが、エンジェルス残留の可能性もかなり高かったと思います。代理人が最初に例の後払いつきの10年7億ドル契約のオファーを最初に持ちかけたのはエンジェルスに対してでしたから。

 大谷にとっても、エンジェルスの環境はかなり快適だったはずだし、エンジェルスがこの提案を受け入れていれば、かなり迷ったでしょうね」

――「10年にも及ぶ遠距離恋愛」という形で、ドジャースが大谷の高校時代から加入を心待ちにしていた状況も描かれています。大谷が高校生だった当時、ドジャースは二刀流についてどのように考えていたのでしょうか? また、18年に大谷が渡米した際にはどうだったのでしょうか?

「花巻東高時代の大谷に対して、ドジャースは“二刀流”をまったく考えていませんでした。当時はとにかく投手としての才能に惚れ込んでいました。逆に言えば、大谷が日本ハム入りを選択したのは、“二刀流”が実現可能だということを知らしめるためだったのではないでしょうか。

 18年のポスティングの際には、ドジャースも当然“二刀流”を有力な選択肢に入れていましたが、当時のナ・リーグにはDH制がありませんでした。そのため、ドジャースはインターリーグでの出場や代打などを含めて年間300打席程度の出場機会を見込んでいました。今考えると、あれほど打てる選手を300打席しか立たせないというのは、チームにとって不利益も大きかったでしょうね」
 
――大谷をあれだけの選手たらしめている最大の要素とは何だと思いますか?

「これは、私が見た中で最高の投手であるクレイトン・カーショウにも言えることですが、MLBの一流選手は『絶対にメジャーで成功してやる』と常に考えていて、それに対する集中力がものすごく高い。『ホームランを打ちたい』というような短期的な目標ではなく、長期的な成功に重きを置いているのです。

 大谷も同様に、意志の力がものすごく強い。二刀流というほとんど前例のないチャレンジでどれだけのことが成し遂げられるか。昨季のように打者に専念すれば、50-50のような前人未踏の偉業を実現できる。何を目指すか、何を目標にしているかということをあまり口にすることはありませんが、間違いなく内面では、誰よりも強い意志を持ってプレーしているはずです。それが、彼をあそこまでの選手たらしめている要因だと思います」

(続く)

取材・構成●SLUGGER編集部

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