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豪腕ミジオロウスキーを攻略し、メジャー通算100本塁打の金字塔にも到達――“カブスの魂”鈴木誠也がチームを牽引する<SLUGGER>

ナガオ勝司

2026.07.03

「もう、どう見てもやっぱり、右打者が難しくなってきているのは明らかなんで、その中でしっかり結果出していかないと、日本人の右打者の評価が下がっていくと思う。今、日本人だと僕と(ブルージェイズの岡本)和真の2人だけで、やっぱり僕らがしっかり頑張らないと次がない。そういう意味では、100本塁打っていうのは良い記録でもありますし、自分がそういうことをやれば、僕も行けるって思う選手もいると思うんで、後についてきてもらえればいいのになっていう風に思いますね」

 普段から、「あんまり目立ちたくない」とプロ野球選手らしからぬことを言う鈴木が、実はカブスのチームカラーには、とてもフィットしている。チームの随一の古顔であるイアン・ハップ左翼手や、今季からFA加入したアレックス・ブレグマン三塁手、昨季チーム最多の34本塁打を記録したマイケル・ブッシュ一塁手や、守備の達人ニコ・ホーナー二塁手ら、物静かな選手ばかりだ。攻守に渡って感情的なプレーで目立っている「PCA」こと、ピート・クロウ・アームストロング中堅手ですら、普段は大人しく、派手な立ち振る舞いをすることはない。

 広島時代からよく知られる鈴木の「変顔」や、おちゃらけた言動がシカゴの地元メディアで話題になるのは、カブスが驚くほど真面目なエリート集団だからだろう。考えてみれば、今永昇太(著者注:彼については近々、別枠で取り上げたいと思う)の言動が地元メディアで散々取り上げられているように、投手陣も真面目で寡黙な仕事人が多く、それゆえに敗戦後は皆で一斉にガッカリするし、連敗が長引けば、お通夜のような雰囲気が充満してしまう。兎にも角にも、試合に勝つことでしか、元気が出ない集団なのである。
 
 だから、打撃タイトルを狙っているわけでもないのに、鈴木の打撃の調子がそのまま、チームの成績に反映されてしまうのかも知れない。

 鈴木が負傷者リストから復帰し、自身の開幕を迎えたのは4月10日のこと。その後の約一ヶ月は打率3割&OPS9割台を維持しており、チームも27勝13敗でナ・リーグ中地区の首位だった。ところが、5月10日から6月9日までの約1ヵ月間で鈴木は打率.192&OPS.518と極端な不振に陥った。チームもその間、7勝21敗と目も当てられないような状況で、地区4位にまで転落してしまったのだ。

 鈴木とカブスが再び上昇し始めたのは6月12日、敵地サンフランシスコでのジャイアンツ戦以降のことだ。

 鈴木が16試合で打率.359&OPS.1.044、3本塁打16打点13得点と調子を上げる間、チームも4シリーズ連続で勝ち越し中である(ブルージェイズとのシリーズは1勝1敗で3試合目が雨天中止となった)。

 もしかしたら、鈴木誠也は「カブスの魂」なのかもしれない。

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