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プロ野球

【今週のセ・リーグ展望】巨人戦に4勝12敗の阪神は甲子園での伝統の一戦で意地を見せるか

氏原英明

2020.09.29

●DeNA-中日(横浜)
【予想先発】
2日(金)井納翔一-清水達也
3日(土)浜口遥大-福谷浩司
4日(日)大貫晋一-松葉貴大

 DeNAは先発予定の3人がいずれも中日に強く、井納は3戦で防御率2.50、浜口は4試合で1.52、大貫は4試合で1.67。絶対の自信を持ってマウンドに送り出せる状態にある。打線ではオースティン、佐野恵太、ソトが中日を得意にしていて、今回もキーマンになりそうだ。

 一方の中日は、前回の対戦(9月11~13日)でようやく今季ハマスタでの初勝利。先発投手の顔ぶれを見ると、福谷の安定感が光る。ここまで58.1イニングで与四球率1.23と抜群のコントロールを発揮。逆に福谷で落とすと厳しい。清水は、先週金曜日の巨人戦で柳裕也が早々にKOされた後を受けて好投。柳の登録抹消を受けて先発のチャンスが回ってきそうだ。8月の「スカパー!ファーム月間MVP賞」に選ばれた高卒3年目の右腕がどんな投球を見せるか。
 
●ヤクルト-広島(神宮)
2日(金)高梨裕稔-床田寛樹
3日(土)スアレス-森下暢仁
4日(日)吉田大喜-中村祐太

 優勝争いから脱落した両チーム。視点を来季以降に向け、若手投手陣たちの奮起に期待したいところだ。

 2戦目先発予定のスアレスはここまで6試合に先発し、うち5先発は自責点1以下と安定感を発揮。ただし、唯一4点取られた試合が神宮での広島戦だった(9月18日)。一方、吉田大喜は11先発で1勝のみ。それなりにゲームメイクはできているが、白星を手にするためにはもう少し長いイニングを稼ぎたい。

 新人王を狙う森下は26日のDeNA戦でプロ最多の11被安打。120球以上を投げた試合がすでに5度もあり、26日も115球。蓄積疲労も気になるところだ。中村祐は20日のヤクルト戦で初回先頭から三者連続ホームランを被弾。27日のDeNA戦でも梶谷隆幸に先頭打者アーチを献上した。4日の試合は初回先頭打者が最大の注目ポイントかもしれない。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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