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プロ野球

吉住、近藤は育成で再出発も…ドラフト1位なのにわずか数年で戦力外になった選手の共通点とは?

西尾典文

2020.12.16

 分類3は逆に目立った欠点はなかったものの、プロで通用するような必殺の武器がなかった投手たちだ。竹下は社会人で主にリリーフとして結果を残して評価を上げたが、プロで短いイニングを任せるには球速不足でストライクで勝負できず、最終的には制球難に苦しんだ。蕭も最速は140キロ台後半という触れ込みだったが、実際は140キロ前後がアベレージだった。一軍で通用するような高い制球力や変化球にも欠け、ほとんど二軍でプロ生活を終えている。アマチュアでは好投手でもプロでは厳しいという代表例と言えそうだ。

 1位で狙っていた選手を抽選で外した場合には、スケールは大きいが未完の大器タイプか、逆にスケールはなくてもまとまっているタイプのどちらかに振れることが多い。分類1と2は前者、分類3は後者が上手くいかなかった例と言える。
 
 今年のドラフトでは、抽選を外した後に高校生を指名したのはオリックス(山下舜平大/投手/福岡大大濠高)とソフトバンク(井上朋也/内野手/花咲徳栄高)だけだったが、そこまで典型的な未完の大器タイプではなく、ある程度の完成度も備えている。残りの4球団もスケール感のある大学生で、分類3になりそうな可能性は小さそうだ。数年後にならないと結果は分からないが、そういう意味でも今年のドラフトは豊作だったと言えるだろう。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる。ドラフト、アマチュア野球情報サイト「プロアマ野球研究所(PABBlab)」を2019年8月にリリースして多くの選手やデータを発信している。

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