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MLB

世界で結果を出すために自分を変えた――渡米3年目でオールスター選出をつかんだ菊池雄星の「成長物語」<SLUGGER>

氏原英明

2021.07.12

 歴史的な活躍を続ける大谷にどうしても注目が集まってしまうが、かつて菊池はこう語っていた。

「僕は人にはそれぞれ役割があると考えています。日本にいた頃は、大谷翔平と比較されることも多かったですが、僕が大谷翔平になることは絶対にできないし、彼には彼の野球をする目的があって、野球を通して伝えていきたい何かがあると思います。一方、僕は僕で、野球人口が減っている中で何とかそれを食い止めるのに貢献したい気持ちが強くて、野球のためにどうしたら力になれるかを考えています。大谷と野球の結果で争うことはあっても、それぞれの役割は決してぶつかるものではなくて、むしろ仲間だと思っています」
 
「小さい頃に野茂(英雄)さんやイチローさん、佐々木主浩さん、石井一久さんが活躍するのを見て、日本人でもできるんだという励みになりました。大谷は凄い活躍を見せてくれていますが、僕ら岩手県で育った選手が活躍することで、北国の人間でもできるんだと見せることができればと思います」

 岩手県の両輪が並び立つ2021年のMLBオールスター・ゲーム。渡米3年目で手にした栄光の舞台は、菊池にとって感慨深い一夜となるはずだ。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。
 
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