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プロ野球

工藤公康は歴代の名将を超えたのか?鶴岡、野村、王、秋山と続くホークス指揮官の系譜

2019.11.08

 王の後任に指名されたのは、チーフコーチの秋山幸二だった。送りバントやエンドランを駆使して確実に1点を取り、小刻みな継投でリードを守る「1点にこだわる野球」を標榜し、ポストシーズンに5度進出、2度の日本一に輝いた。14年、2度目の日本一を最後に勇退。現監督の工藤に監督の座を譲った。

 王は2度、秋山は1度、リーグ優勝を果たしながらポストシーズンで敗退する“下剋上”を許しているが、工藤は就任5年で“下剋上”されたことは一度もない。それどころか、昨季・今季ともにシーズン2位通過ながら日本シリーズ制覇の下剋上日本一。現役時代は4球団を渡り歩き、史上最多の14度日本シリーズに進出、「優勝請負人」と呼ばれた男の勝負強さがここに垣間見える。
 
 来季、ソフトバンクは日本シリーズ4連覇を目指す。3連覇の達成者は過去に5人いるが、4連覇以上はたった一人しかいない。前人未到の日本シリーズ9連覇、V9巨人を率いた川上哲治その人である。工藤に「日本シリーズ4連覇監督」の肩書がついたその時には、ホークス史上最高であるのみならず、プロ野球史上有数の名将という評価が与えられるだろう。(文中敬称略)

文●筒居一孝(スラッガー編集部)

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