【氏原英明氏 予想】
1位 ソフトバンク
2位 オリックス
3位 楽天
4位 西武
5位 ロッテ
6位 日本ハム
9月15日にソフトバンクに優勝マジックが点灯。翌16日も連勝したのは大きい。
この1週間の戦いで注目していたのは上位との試合ばかりを残している楽天の動向だった。楽天に勢いがついていればワンチャンスもあり得ると思ったからだ。ところが、ソフトバンクは前節の西武との3連戦3連勝を飾った勢いをそのままに楽天に連勝した。
この6連勝の中でソフトバンクが長けていたのはやはりここへきての勝負強さだ。西武戦に強い、東浜巨、石川柊太を1、3戦目に先発させている。1戦目は最終的には2点差になったが、東浜のゲームコントロール能力は見事だった。そして、6回表に追撃の一発を浴びると、そこから継投に入り、粘る西武をいなしたのだった。2、3戦目は見事に勝利した。
ソフトバンクの強さは戦力層ばかりではない。日本一を4連覇した頃に比べると、現有戦力はやや力が落ちる。しかし、ソフトバンクが変わらず王者たる所以は勝負に対する執念だ。それはベンチの雰囲気から「ここが勝負だ」というのが滲み出ていてチーム内で共有できている。
西武や楽天はいろんな意味で「いつも通り」なのだ。特にソフトバンクを意識することはなく、平常運転をしている。西武は2戦目にエースの髙橋光成を立てて臨んだが、6回2失点で敗戦投手。数字だけを見れば先発の役割を果たしているが、こういう時は負けている状態でエースがマウンドを降りるようなことはあってはいけない。いつも通りではいけないのだ。
ソフトバンクは「ここが勝負だ」とエンジンの回転数を上げられるのは長く王者として君臨してきたチームに流れる空気があるからだろう。かつては内川聖一、松田宣浩が中心にいて、そこから今宮健太、柳田悠岐、中村晃と受け継がれた。今は牧原大成や周東佑京などにも王者のメンバーとしての風格さえ感じる。この時期になると、彼らはしゃにむに勝利を目指す。普段と役割が異なっても、それを厭わないのだ。4連覇の頃と全く役割の違う森唯斗の活躍はいい例だろう。
これらは一朝一夕でできるものではない。普段からの練習への取り組み、敗戦からの反省、日常生活の食事管理からメディア対応など。王者としてすべきことがチーム内で共有されているから、勝負所でそれが生かされるのだ。
オリックスは監督の中嶋聡がターゲットを定めてマネジメントしていくのがうまい。まだソフトバンク戦が残されているから、そこに一縷の望みを託すが、おそらく、ある程度の段階で「2位死守」に回るはずだ。今日からの3連戦の初戦に山本由伸、3戦目に宮城大弥を立てる予定だが、ここを終えると、3位に落ちないような戦いにシフトしてくる可能性もある。是が非でも2位を死守して、クライマックスシリーズへの布石を打ってくるのではないか。
問題は3位だ。数字的には圧倒的に西武優位だが、今日からの楽天との4連戦がキーになる。おそらく辻発彦監督はこれからも同様に「いつも通り」の戦いをしてくるだろう。特段ターゲットを絞らず、1戦1戦を真っ当に勝負してくるはずだ。それが辻監督の良さでもある。基本は動かない。その中で楽天がいかに打開できるかは注目してみたい。
楽天はまだ上位とのカードを多く残しているだけに、まだまだ諦めるときではない。要するに、ここから一踏ん張りができるかどうかが、今年だけに限らず、楽天に求められる強さなのではないか。
ロッテは、3、4位チームとの対戦がないのが痛い。15日の西武戦を勝利したのは大きかったが、オリックス、ソフトバンクとの戦いが多く残っているなかで、3、4位との差を縮めることができるかはやや厳しい状況といえる。
この週末のソフトバンクーオリックスが最後の天王山となるだろう。この結果次第で、各チーム戦いを変えてくるはずだ。そのなかで、どういう順位に落ち着くのか。3位争いが実に面白い。
構成●THE DIGEST編集部
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1位 ソフトバンク
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3位 楽天
4位 西武
5位 ロッテ
6位 日本ハム
9月15日にソフトバンクに優勝マジックが点灯。翌16日も連勝したのは大きい。
この1週間の戦いで注目していたのは上位との試合ばかりを残している楽天の動向だった。楽天に勢いがついていればワンチャンスもあり得ると思ったからだ。ところが、ソフトバンクは前節の西武との3連戦3連勝を飾った勢いをそのままに楽天に連勝した。
この6連勝の中でソフトバンクが長けていたのはやはりここへきての勝負強さだ。西武戦に強い、東浜巨、石川柊太を1、3戦目に先発させている。1戦目は最終的には2点差になったが、東浜のゲームコントロール能力は見事だった。そして、6回表に追撃の一発を浴びると、そこから継投に入り、粘る西武をいなしたのだった。2、3戦目は見事に勝利した。
ソフトバンクの強さは戦力層ばかりではない。日本一を4連覇した頃に比べると、現有戦力はやや力が落ちる。しかし、ソフトバンクが変わらず王者たる所以は勝負に対する執念だ。それはベンチの雰囲気から「ここが勝負だ」というのが滲み出ていてチーム内で共有できている。
西武や楽天はいろんな意味で「いつも通り」なのだ。特にソフトバンクを意識することはなく、平常運転をしている。西武は2戦目にエースの髙橋光成を立てて臨んだが、6回2失点で敗戦投手。数字だけを見れば先発の役割を果たしているが、こういう時は負けている状態でエースがマウンドを降りるようなことはあってはいけない。いつも通りではいけないのだ。
ソフトバンクは「ここが勝負だ」とエンジンの回転数を上げられるのは長く王者として君臨してきたチームに流れる空気があるからだろう。かつては内川聖一、松田宣浩が中心にいて、そこから今宮健太、柳田悠岐、中村晃と受け継がれた。今は牧原大成や周東佑京などにも王者のメンバーとしての風格さえ感じる。この時期になると、彼らはしゃにむに勝利を目指す。普段と役割が異なっても、それを厭わないのだ。4連覇の頃と全く役割の違う森唯斗の活躍はいい例だろう。
これらは一朝一夕でできるものではない。普段からの練習への取り組み、敗戦からの反省、日常生活の食事管理からメディア対応など。王者としてすべきことがチーム内で共有されているから、勝負所でそれが生かされるのだ。
オリックスは監督の中嶋聡がターゲットを定めてマネジメントしていくのがうまい。まだソフトバンク戦が残されているから、そこに一縷の望みを託すが、おそらく、ある程度の段階で「2位死守」に回るはずだ。今日からの3連戦の初戦に山本由伸、3戦目に宮城大弥を立てる予定だが、ここを終えると、3位に落ちないような戦いにシフトしてくる可能性もある。是が非でも2位を死守して、クライマックスシリーズへの布石を打ってくるのではないか。
問題は3位だ。数字的には圧倒的に西武優位だが、今日からの楽天との4連戦がキーになる。おそらく辻発彦監督はこれからも同様に「いつも通り」の戦いをしてくるだろう。特段ターゲットを絞らず、1戦1戦を真っ当に勝負してくるはずだ。それが辻監督の良さでもある。基本は動かない。その中で楽天がいかに打開できるかは注目してみたい。
楽天はまだ上位とのカードを多く残しているだけに、まだまだ諦めるときではない。要するに、ここから一踏ん張りができるかどうかが、今年だけに限らず、楽天に求められる強さなのではないか。
ロッテは、3、4位チームとの対戦がないのが痛い。15日の西武戦を勝利したのは大きかったが、オリックス、ソフトバンクとの戦いが多く残っているなかで、3、4位との差を縮めることができるかはやや厳しい状況といえる。
この週末のソフトバンクーオリックスが最後の天王山となるだろう。この結果次第で、各チーム戦いを変えてくるはずだ。そのなかで、どういう順位に落ち着くのか。3位争いが実に面白い。
構成●THE DIGEST編集部
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