【5】人間の「主観」によって入力が行なわれている
UZRの算出には、どこにどのような打球が飛んだかという打球データの記録が必要になる。これについて「人間の主観」が混ざっているのではないかという批判もある。
DELTAではこうした入力を手動で行なっているため、打球が飛んだ位置について客観的な記録でないことは確かだ。しかし、できる限り客観的な質に近づくよう、膨大な参考資料を用意したうえで、訓練を受けたスキルの高いスタッフのみで細心の注意を払って記録作業を行なっている。
また、実はMLBでもこうしたデータ入力はつい最近まで手動で行われていたようだ。もちろん、入力環境はできる限り改善されていくべきだが、日本が特別劣っているというわけではない。
算出社によって数字が異なるという話もある。これについてはロジックのち外による部分が大きいだろう。平均をリーグ、NPB全体どちらに設定するのか、打球の強さをどのように判定するかなどは各社の「思想」が反映される。
例えば DELTAでは平均をNPB全体に設定している。これはMLBに比べると試合数が少ないNPBにおいて、打球のサンプルが小さくなりがちな問題を解消するためだ。表向きのデータ以上に注目すべきは、裏側にあるロジックなのかもしれない。
文●DELTA(@Deltagraphs/https://deltagraphs.co.jp/)
【著者プロフィール】
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート5』(水曜社刊)が4月6日に発売。
【関連記事】なぜ失策数で守備を評価すべきでないのか。UZRが照らす“真の名手”とは【野球の“常識”を疑え!第4回】<SLUGGER>
【動画】UZRもダントツ1位。源田壮亮の“たまらん”守備をチェック
UZRの算出には、どこにどのような打球が飛んだかという打球データの記録が必要になる。これについて「人間の主観」が混ざっているのではないかという批判もある。
DELTAではこうした入力を手動で行なっているため、打球が飛んだ位置について客観的な記録でないことは確かだ。しかし、できる限り客観的な質に近づくよう、膨大な参考資料を用意したうえで、訓練を受けたスキルの高いスタッフのみで細心の注意を払って記録作業を行なっている。
また、実はMLBでもこうしたデータ入力はつい最近まで手動で行われていたようだ。もちろん、入力環境はできる限り改善されていくべきだが、日本が特別劣っているというわけではない。
算出社によって数字が異なるという話もある。これについてはロジックのち外による部分が大きいだろう。平均をリーグ、NPB全体どちらに設定するのか、打球の強さをどのように判定するかなどは各社の「思想」が反映される。
例えば DELTAでは平均をNPB全体に設定している。これはMLBに比べると試合数が少ないNPBにおいて、打球のサンプルが小さくなりがちな問題を解消するためだ。表向きのデータ以上に注目すべきは、裏側にあるロジックなのかもしれない。
文●DELTA(@Deltagraphs/https://deltagraphs.co.jp/)
【著者プロフィール】
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート5』(水曜社刊)が4月6日に発売。
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