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MLB

【座談会:大谷翔平メジャー2年間の総括と今後②】"二刀流"のすごさとリスクを考える。果たして大谷はいつまで続けることができるのか……? 

スラッガー編集部

2020.01.02

お股:今の投球スタイルだと、何かの球種を足すっていうのが難しいんですよね。マッスラ気味のストレートで、真下に切るジャイロ気味のフォークなので。だから、スライダーは横にめちゃくちゃ曲げているわけでしょ。カット気味にしてもストレートとあまり差が付かなくなって、スプリッターとも違いが出せない。クリス・セール(レッドソックス)型というか、テレビゲーム的というか。全部が決め球に近いので、そこをどうするかっていう。バーランダーやゲリット・コールと大谷が大きく違うのは、中間球があるかないかの話なので。

 あと、今のピッチャーは新しい球種を足すとどれかが悪くなるという世界じゃなくなってきていて、ダルビッシュみたいに、いろんな球種をちゃんと投げられて、全体的に良くなるという。バーランダーも、スライダーとカーブにちょっと偏っているからチェンジアップを少し増やしたいって思って調整したり。大谷も本当はカット気味のボールが欲しいとは思っているだろうけど、左右の変化がないタイプなのでどうかな。スプリットとストレートの間くらいのカットを入れてもいいかなとは思いますけどね。

豊浦:確かカーショウがデビューした08 年の『ベースボール・プロスペクタス』に書いてありましたけど、彼と松坂がよく似ていると。奪三振能力が優れていて素晴らしいピッチャーだけど、ボールが多いから長いイニングを投げられないので、結果的に今のままじゃだめだと。松坂はずっとそのままでしたけど、そこからカーショウは変わりましたよね。カーブを減らしてスライダーにして、ストライクをとりやすくしたり。大谷も、今後はもっと考えてやっていくのだとは思います。
 
[対談者]
●出野哲也 いでのてつや:本誌連載「ダークサイドMLB――“裏歴史”の主人公たち」の他、姉妹誌のNBA専門誌『ダンクシュート』でも連載を持つ。主な著書は『改正新版メジャー・リーグ人名事典』『プロ野球埋もれたMVPを発掘する本』など。最新刊『メジャー・リーグ球団史』も発売中(いずれも言視舎)

●豊浦彰太郞 とよらしょうたろう:北米61球場を訪れ、北京、台湾、シドニー、メキシコ、ロンドンでもメジャーを観戦。ただし、会社勤めの悲しさで、球宴とポストシーズンは未体験。好きな街はデトロイト、球場はドジャー・スタジアム、選手はレジー・ジャクソン。「Yahoo!」「J SPORTS」でも執筆中。

●お股ニキ データ分析と試合観戦で培った感性を基に行うツイートが反響を呼び、ツイッターのフォロワーは約3万人。ダルビッシュ有(カブス)や数多くのプロ野球選手にもアドバイスをしている、大人気となった初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴』(光文社)に続き、11月末には『なぜ日本人メジャーリーガーにはパ出身者が多いのか』(宝島社)も発売。
 

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