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高校野球

「これでは、勝てない」名門・横浜高野球部に生まれた変化... 昨秋から公式戦15連勝、春センバツ優勝候補筆頭の『未来予想図』は実現するか

大友良行

2025.02.04

プロ注目の左腕、奥村頼人。伸びのあるストレートに多彩な変化球で勝負する。写真:大友良行

プロ注目の左腕、奥村頼人。伸びのあるストレートに多彩な変化球で勝負する。写真:大友良行

 新チームが結成された8月末に、村田監督は『未来予想図』を描いた。1.県大会制覇 2.関東大会優勝 3.明治神宮大会優勝 4.冬制覇 5.選抜優勝の5テーマだ。4.の冬制覇とは、実戦につながる動きのあるトレーニングをすること。1時間以上のウオーミングアップ、10メートル四方で行なうボール回しなど。スピードと正確さでノーミスを追求するのが狙いだ。
 
 この計画の未来予想図を実行するのが選手たちだ。

 プロ注目のトップバッター、阿部葉太主将(2年)は、179センチ・84キロ、右投左打、豊橋ボーイズで3年夏の全国ベスト8。広角に打てるのが持ち味だ。もともと本塁打を量産するタイプではない。投手返しの打法で出塁し、得意の足を使ってひとつでも先の塁を狙う絶好の切り込み隊長で中距離打者だ。特に主将だけに、責任感は強い。自分が塁に出てチームを引っぱっていく心意気は充分持ち合わせている。

「今は頂点を獲る。それだけしか考えていません。そのため冬制覇をしています。体の使い方をしっかりと勉強することに集中しました。好きな選手は柳田悠岐(ソフトバンク)、糸井嘉男(阪神など)が好き。理由は、長く選手としてやっているからです。当たり前のことを当たり前にやるのが一番難しいです。足は自信があります。プロで活躍するのが夢です」と言う。

 横高が優勝候補の筆頭にあげられているのは、左右ふたりのエースがいるからだ。

 その左のエースである奥村頼人(2年)は、179センチ・79キロ、左投左打、滋賀県彦根の野洲ボーイズ出身で、ボールの伸びと質がズバ抜けている。ボールの出所が分かりにくい上に、コントロールが抜群だ。八日市高校監督(滋賀)をしている父親のアドバイスもあり、この冬ストレート、チェンジアップ、カーブ、スライダーの精度を上げるために腹筋を中心に鍛えた。

「多少の不安はあったが、神宮大会で接戦のゲームを抑えられたので自信になりました。試合後もまだ余力が残っていました。おかげで試合をつくることができるようになった。甲子園では、ピンチの時には三振をとりにいきます」と自信のほどを語る。

 しかもピッチングだけではない。打撃もいいので投げないときは、外野を守る二刀流だ。
「将来はプロに行きたいです。横高は野球以外に、人間的にも成長できると思います」「激戦区で自分がどこまで通用するか、チームを勝たせることができる投手になれるかです。頑張ります!」
 すでにドラフト候補としても奥村の名前が挙がっている。

 阿部、奥村だけではない。右のエースと目され、プロからマークされているスーパー1年生がいる。右投右打の織田翔希(1年)だ。福岡県・北九州の足立中軟式野球部出身で1年春からベンチ入り。スライダー、カーブ、チェンジアップに加えMAX150キロの直球がある。まだ細身だが入学時より慎重5センチ、体重も3キロ増えた。昨秋の関東大会準々決勝で農大二高を相手に2安打完封、4者連続三振を奪うなど注目された。

「体も大きくなりました。補食のおにぎりを含め、1日6食たべています。チームを勝たせるという目標のもと、奥村頼人さんと切磋琢磨して甲子園に臨むつもりです。初めての甲子園なので、1年生らしく泥臭くプレーするつもりです」と気合十分だ。

 村田監督は言う。「今まで選手たちは、いろいろと悔しい思いをしてきた。そこをお互いに向き合って乗り越えてきました。私たちの指導体制も新しく刷新しました。今のところ新チームは勝ち続けています。この勢いを全国制覇まで持っていきたいです」

 桜の花吹雪が舞う下で紫紺の優勝旗を手にする日が、徐々に近ついてきている。

取材・文●大友良行
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