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【今日は何の日】日本に、世界に衝撃が走ったイチロー引退。“伝説”の引退会見をもう一度~前編~

2020.03.21

深夜に及ぶ会見は“イチロー節”全開だった。(C)Getty Images

深夜に及ぶ会見は“イチロー節”全開だった。(C)Getty Images

―― 現役を終えたら監督になったり指導者になったり、あるいはタレントになったりすることはよくありますが?
 
「あんまりシンプルじゃないですね。何になるんだろうねぇ。そもそもカタカナの『イチロー』ってどうなんですかね。いや、『元カタカナのイチロー』みたいになるんですかね。あれ、どうなんだろう。どうなんだろうねぇ。『元イチロー』って変だね。『いやイチローだし僕』って思うもんね。音はイチローだから。書く時、どうなるんだろうねぇ。どうしよっかぁ。何になる……う~ん。監督、絶対無理ですよ。これは『絶対』がつきますよ。うん。人望がない。本当に。人望がないんですよ、僕。うん。いや、無理ですね。それぐらいの判断能力は備えているので。

ただ、どうでしょうねぇ。アマチュアとプロとの壁が日本の場合、特殊な形で存在しているので。そういうルールってどうなんだろうか。今までややこしいじゃないですか。例えば、自分に子供がいたとして、高校生だとすると、教えられなかったりとかっていうルールですよね、確か。そうだよね。だから、そういうのって何か変な感じじゃないですか。だからまぁ、今日をもって『元イチロー』になるので。ま、それは小さな子供なのか、中学生なのか、高校生なのか、大学生なのか分からないですけど。そこには興味がありますね」
 
―― 先ほど引退を決めた時期というのがキャンプの終盤というお話がありましたが、そこに至る以前にも、引退の2文字がご自身の中に浮かんで悩んだ時期はあったんでしょうか?

「引退と言うよりは『クビになるんじゃないか』はいつもありましたね。ニューヨークに行ってからは毎日、そんな感じです。はい。まあニューヨーク、まあマイアミもそうでしたけど。まあニューヨークって、皆さんご存知かどうか分からないですけど、特殊な場所です。で、マイアミもまた違った意味で特殊な場所です。だからもう、毎日そんなメンタリティで過ごしていたんですね。で、クビになる時はまさにその時だろうと思っていたほど、キャンプ前のオファーがある前の話をしましたけど。その後、5月にゲームに出られなくなる。あの時もそのタイミングでもおかしくないんですよね。でも、この春に向けて、まだ可能性があると伝えられたので。ま、そこも自分なりに頑張ってこられたということだと思うんですけれども」

―― 今日の8回にベンチに戻る際に菊池(雄星)選手が号泣されていて。

「いや、号泣中の号泣でしょ、あいつ。いや、もうびっくりしましたよ。いや、それ見てこっちはちょっと笑けましたけどね」

―― 抱擁されていた時に、どんな会話をされていたのか知りたいなぁと、あのシーンを見て思ったんですが

「いやぁ、それはプライベートなんで。それは雄星がお伝えするのは構わないですけど、僕が伝えることではないですね。そらそうでしょ。だって、2人の会話だから。しかも僕から声をかけているので、それを僕がここで「こんなこと僕が言いました」って、馬鹿ですよね。絶対、信頼されないもんね、そんな人間は。それは駄目です」

構成●SLUGGER編集部
 
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