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プロ野球

お股ニキが語る『マネー・ボール』の真実【本人直撃インタビューVol.3】

2019.09.22

――今のプロ野球のファンの傾向についてどう思いますか? どこかアイドルファンに近いような感じ気もしますが。
                                             
 スポーツとして見ていないんじゃないですかね。日本の野球ファンは海外のサッカーファンと少し似ていて、例えば小さい頃から親が子供にチームのグッズを着せたりして、言葉は悪いですけど洗脳に近いというか。もちろん、悪いことではないです。こと興行面では日本のほうがメジャーより上だと思いますし。ただ……もう少し“スポーツ的”に野球を理解してもいいんじゃないかな、とは思います。別にチームに熱狂することと、野球を理解することは相反する考えではないですしね。そのほうがもっと楽しくなるかなと。

――“お股本”もそうした楽しみ方を提供している感じですね。

 報知新聞の記者の方からも言われたのですが、今までのメディアはドラマ性や人間性をメインにしてきたけど、これからはプレーやデータ的な側面も押し出していきたいと。一流選手って根本的に頭がいいんです、よく考えてプレーしています。そうでなくては活躍できません。“分かっている”記者がちゃんと質問をすれば、答えてくれるはずですよ。山川穂高選手(西武)も『ちゃんと打撃について聞いてきたら、いくらでも答える』と言っていましたよね。だから、聞き手側もしっかり勉強しなきゃいけないんじゃないでしょうか。僕が選手に意見を求められるのも、少しは野球の見方を認めてもらえているからかなとは思います。
――最後に今後の目標や展望を教えてください。

 やっぱり、一番興味があるのはピッチング論。プロの選手を指導しているトレーナーとも知り合いなのですが、その方がラプソード(投球の回転数や打球速度などを計測できる機器)を実際に導入し始めたので、その場で球とデータを見比べてアドバイスをしたり。まさにドライブラインがやっている感じで。ただ、仕事になると今の自由なスタンスから変わるので難しいですね。本も3冊くらい書ける感じはあって、オファーももらっています。あとは打撃論をもう少し勉強したいかな。何ならスライダー論だけで一冊書けるので(笑)。ただ、ツイッターでいろいろ発言するのは楽しいので、続けていきたいと思っています。

【プロフィール】
お股ニキ(おまたにき)/野球経験は中学の部活動(しかも途中で退部)までだが、さまざまなデータ分析と膨大な量の試合を観る中で磨き上げた感性を基に、選手のプレーや監督の采配ついての考えをツイッターで発信すると、2019年8月現在、2万5000人以上にフォローされる人気アカウントとなる。プロ野球選手にアドバイスすることもあり、中でもツイッターで知り合ったダルビッシュ有(カブス)に伝授した“お股ツーシーム”は多くのニュース媒体でも取り上げられた。今年3月に発売した初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴 マネー・ボールを超える野球論』(光文社)が大反響を呼んでいる。大のサッカー好きでレアル・マドリーファン。

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