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「地元ファンからブーイングを浴びせられた」コビーの“引退ツアー”を当時ルーキーのターナーが回想<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2023.09.20

現役ラストシーズンとなった2015-16シーズン、コビーは全米各地でファンの歓声を浴びた。(C)Getty Images

現役ラストシーズンとなった2015-16シーズン、コビーは全米各地でファンの歓声を浴びた。(C)Getty Images

 コビー・ブライアントは20年間ロサンゼルス・レイカーズ一筋で過ごしたスーパースターであり、類まれな得点力と勝負強さ、どんな逆境にも立ち向かう強靭なメンタリティでチームを5度の優勝に導いた。

 198cm・96kgのシューティングガードは、2度の得点王をはじめ、キャリアで積み上げた通算3万3643点は歴代4位(レイカーズ史上1位)、オールスターMVP4回は1位タイ、球宴選出18回は2位タイ、ルーキーイヤーのスラムダンク・コンテスト優勝、2006年1月のトロント・ラプターズ戦での81得点、16年4月引退試合での60得点など、数々の実績を残した。

 晩年は足や肩のケガに泣かされ、2015-16シーズン限りで現役生活に別れを告げたコビー。このシーズンは“引退ツアー”としてアウェーゲームでも大きな歓声を浴びるなど、全米のファンがレイカーズの英雄との別れを惜しんだ。

 当時ルーキーだったマイルズ・ターナー(インディアナ・ペイサーズ)は、コビーのインディアナでのラストゲームを今でも鮮明に覚えているという。15年のプロ入りからペイサーズでプレーを続ける27歳のビッグマンは、ポッドキャスト番組『Tidal League』で当時を回想した。

「ルーキーイヤーにコビー・ブライアントと対戦していたことを覚えている。これが彼の引退ツアーだということを考えると、その試合は忘れられないものだった。僕たちはその試合でずっとリードしており、コビーがボールに触れるたびにファンが大声援を送ったんだ。
 
 16年2月8日にインディアナで行なわれた一戦は、ペイサーズが最大17点のリードを奪うなど試合の主導権を握っていた。しかし第4クォーターにコビーを中心にレイカーズが反撃。ホームゲームにもかかわらず、ファンはペイサーズの選手へブーイングを浴びせたという。

「クラッチタイムでコビーは1人でチームを引っ張り、点差は一桁まで縮まった。僕らは試合全体で2桁のリードを奪っていたけど、コビーが4、5回連続で得点し、観客は狂喜乱舞していたよ。そして、ポール・ジョージがクレイジーな3ポイントを決めると、地元ファンからブーイングが起こったんだ。

 あのシーズン、僕たちはプレーオフに進出しようとしていたから非常に重要な試合だった。そして、コビーは同点ショットをミスして、僕らは試合に勝利した。でもアリーナ中のファンからブーイングを浴びせられた。彼らは本当にレイカーズに勝ってほしかったんだ」(ターナー)

 華麗なプレーでレイカーズファンだけでなく、過去にブーイングを受けてきた相手チームのファンも虜にする――。誰よりもバスケットボールに真摯に向き合い、常に努力を重ねてきたコビーらしいエピソードと言えるだろう。

構成●ダンクシュート編集部

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