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殿堂入りするカーメロのNBAキャリアを大学時代の恩師が語る「デンバーであろうとニックスであろうと、彼は常にチームを高めてきた」<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2025.09.04

殿堂入りするカーメロに対して、大学時代の恩師が賛辞を贈った。(C)Getty Images

 9月2日(日本時間3日)、シラキュース大で長年指揮を執ったジム・ベーハイムの単独インタビューが、現地メディア『sportskeeda』へ公開された。

 シラキュース大はNCAAトーナメントに通算41回出場し、ファイナル4(準決勝)には6回進出、2003年に同大史上唯一の全米王者に輝いた。当時のチームで1年生ながらエースを務めたのがカーメロ・アンソニー(元デンバー・ナゲッツほか)だった。

 この年のカーメロは、平均22.2点、10.0リバウンド、2.2アシスト、1.57スティールの成績を残し、トーナメント最優秀選手(Most Outstanding Player)にも選出された。

 わずか1年間の在籍でNBAドラフトへアーリーエントリーしたが、ベーハイムは「素晴らしいストーリーだ。ここにいたのは1年間だけだったが、彼は生涯シラキュースの一員なんだ」と称えていた。
 
 201cm・108kgのカーメロは、2003年のドラフト全体3位でナゲッツから指名され、1年目から平均21.0点、6.1リバウンド、2.8アシストと活躍。ナゲッツとニューヨーク・ニックスでプレーしたキャリア最初の14シーズンでいずれも平均20点以上を記録し、リーグ有数のスコアラーとしての地位を確立した。

 オクラホマシティ・サンダーに移籍した2017年以降は得点源からシックスマン、ロールプレーヤーへと役割が変わっていったとはいえ、現役ラストの2021-22シーズンもロサンゼルス・レイカーズで平均13.3点と、円熟味を増した点取り屋として足跡を残した。

 美しいジャンパーや力強いポストプレー、身体の強さを活かしたフィニッシュで点を積み上げてきたカーメロ。そのスコアリングの背景にはジャブステップをはじめとする巧みなステップワークやフェイク、マッチアップ相手との駆け引きの巧さが光り、歴代10位の通算2万8289得点を記録。キャリア19シーズンでオールスターに10度、オールNBAチームに6度、NBAの75周年記念チームにも選出された。

 さらに"メロ"は、クラッチタイムでも抜群の強さを見せ、数々の決勝弾を決めてチームを勝利へ導いてきた。国際大会でもオリンピックで金メダル3個と銅メダル1個、FIBA世界選手権(現ワールドカップ)で銅メダル1個と、輝かしい実績を残している。
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ファイナルの舞台には立てなかったが、所属チームをプレーオフ常連に押し上げた