NBAはこの数十年で大きく変化した。現代ではガードからセンターまで3ポイントを放ち、1試合の得点が120点を超える試合も珍しくない。リーグの平均得点も2018-19シーズンから昨季まですべてのシーズンで110点以上を記録している。
そんななか、2011年からNBAで10年間プレーしたイマン・シャンパート(元ニューヨーク・ニックスほか)が、自身のポッドキャスト番組『All In』の最新回を公開。メンフィス・グリズリーズのレジェンド、ザック・ランドルフとトニー・アレンとともにトークを展開した。
ランドルフとアレンは、2010年代のグリズリーズの主力で、当時のチームは彼らやマルク・ガソル、マイク・コンリー(現ミネソタ・ティンバーウルブズ)らを擁し、1990年代を彷彿とさせるディフェンシブなバスケットボールを展開。オフェンスではハーフコートとインサイドを中心に11年から7年連続でプレーオフに進出、13年にはカンファレンス決勝まで駒を進めた。
議題は「もしあの時代のグリズリーズが、現代のNBAで戦ったらどうか?」というもの。現在は攻守の切り替えが激しいスピーディーな展開と3ポイントが中心だが、全員が「十分通用する」と意見が一致した。
シャンパートはその理由をこう説明する。
「あの頃のバスケは常に調整が必要だった。昔の方が“チェスの一手”のような駆け引きが多かったと思う。今はゼロに近い。試合を見ていて『ハーフタイムにコーチは何も言わなかったのか? 何も変えないのか?』って思うことがある。もちろん、自分たちらしさを貫くのも理解できるけどね。
同じプレーを続けてうまくいかないなら、守備が何をしているかを見て調整すればいい。例えばポストアップを仕掛けてもペイントを固められているなら、ストロングサイドのコーナーにシューターを置けばいい。そうすれば相手は、3ポイントを浴び続けることになるだろ?」
現代のスタイルは、速攻やアウトサイドシュートに加え、ハーフコートではピック&ロールが主流だ。その背景にはアナリティクスの影響が大きく、ミドルレンジは“最も効率が悪いショット”というデータに基づき、多くの選手が打つことを避け、3ポイント、もしくはペイントアタックを選択するようになった。
アレンは今日のディフェンスについてこう述べた。
「ピック&ロールで下をくぐる“サグ”(ディフェンス時にマークマンとの距離をあえて取って守ること)は怠けた守備だと思う。スクリーンをファイトして越える選手のために、せめて一瞬でもヘルプに出てくれなきゃ。そうでないと俺には厳しい守備になっていただろうね」
速さとシュート力が求められる現代にあっても、かつての駆け引きにこそバスケットボールの醍醐味があるのかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
「現代NBAでビッグマンは絶滅しそう」元グリズリーズのランドルフが選手の進化とポジションレス化に言及<DUNKSHOOT>
名手ペイトンが歴代ベスト5を選定。ジョーダン、元相棒ケンプらに加え、センターには“伝説の怪物”をチョイス<DUNKSHOOT>
NBA史上最強のデュオは?元選手が“仮想2対2”で”持論を展開「マジック&カリームはMJ&ピッペンに負ける」<DUNKSHOOT>
そんななか、2011年からNBAで10年間プレーしたイマン・シャンパート(元ニューヨーク・ニックスほか)が、自身のポッドキャスト番組『All In』の最新回を公開。メンフィス・グリズリーズのレジェンド、ザック・ランドルフとトニー・アレンとともにトークを展開した。
ランドルフとアレンは、2010年代のグリズリーズの主力で、当時のチームは彼らやマルク・ガソル、マイク・コンリー(現ミネソタ・ティンバーウルブズ)らを擁し、1990年代を彷彿とさせるディフェンシブなバスケットボールを展開。オフェンスではハーフコートとインサイドを中心に11年から7年連続でプレーオフに進出、13年にはカンファレンス決勝まで駒を進めた。
議題は「もしあの時代のグリズリーズが、現代のNBAで戦ったらどうか?」というもの。現在は攻守の切り替えが激しいスピーディーな展開と3ポイントが中心だが、全員が「十分通用する」と意見が一致した。
シャンパートはその理由をこう説明する。
「あの頃のバスケは常に調整が必要だった。昔の方が“チェスの一手”のような駆け引きが多かったと思う。今はゼロに近い。試合を見ていて『ハーフタイムにコーチは何も言わなかったのか? 何も変えないのか?』って思うことがある。もちろん、自分たちらしさを貫くのも理解できるけどね。
同じプレーを続けてうまくいかないなら、守備が何をしているかを見て調整すればいい。例えばポストアップを仕掛けてもペイントを固められているなら、ストロングサイドのコーナーにシューターを置けばいい。そうすれば相手は、3ポイントを浴び続けることになるだろ?」
現代のスタイルは、速攻やアウトサイドシュートに加え、ハーフコートではピック&ロールが主流だ。その背景にはアナリティクスの影響が大きく、ミドルレンジは“最も効率が悪いショット”というデータに基づき、多くの選手が打つことを避け、3ポイント、もしくはペイントアタックを選択するようになった。
アレンは今日のディフェンスについてこう述べた。
「ピック&ロールで下をくぐる“サグ”(ディフェンス時にマークマンとの距離をあえて取って守ること)は怠けた守備だと思う。スクリーンをファイトして越える選手のために、せめて一瞬でもヘルプに出てくれなきゃ。そうでないと俺には厳しい守備になっていただろうね」
速さとシュート力が求められる現代にあっても、かつての駆け引きにこそバスケットボールの醍醐味があるのかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
「現代NBAでビッグマンは絶滅しそう」元グリズリーズのランドルフが選手の進化とポジションレス化に言及<DUNKSHOOT>
名手ペイトンが歴代ベスト5を選定。ジョーダン、元相棒ケンプらに加え、センターには“伝説の怪物”をチョイス<DUNKSHOOT>
NBA史上最強のデュオは?元選手が“仮想2対2”で”持論を展開「マジック&カリームはMJ&ピッペンに負ける」<DUNKSHOOT>
関連記事
- “おしゃれ番長”SGAは後輩のファッションも世話?「開幕前、ガレージセールみたいな感じで、彼らが服を買いに来る」<DUNKSHOOT>
- レイカーズのレジェンドOBが語る、マジックとドンチッチの共通点「2人ともその能力を持っている」<DUNKSHOOT>
- “エイリアン”ウェンバンヤマがアニメに!作品プロットは“宇宙でバスケ”、本人は「信じられない体験」と興奮<DUNKSHOOT>
- 「現代NBAでビッグマンは絶滅しそう」元グリズリーズのランドルフが選手の進化とポジションレス化に言及<DUNKSHOOT>
- 「レイカーズが賢明ならトレードするだろう」球団OBオリーがリーブスの放出を提唱「同じタイプ2人は必要ない」<DUNKSHOOT>