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NBA

シャンパートが語る現代NBAに欠ける“駆け引き”「あの頃のバスケは常に調整が必要だった。今はゼロに近い」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2025.09.23

2010年代のグリズリーズは、ランドルフ(中央)とアレン(左)らを中心に、堅守とハーフコートオフェンスでプレーオフ常連チームとなった。(C)Getty Images

2010年代のグリズリーズは、ランドルフ(中央)とアレン(左)らを中心に、堅守とハーフコートオフェンスでプレーオフ常連チームとなった。(C)Getty Images

 NBAはこの数十年で大きく変化した。現代ではガードからセンターまで3ポイントを放ち、1試合の得点が120点を超える試合も珍しくない。リーグの平均得点も2018-19シーズンから昨季まですべてのシーズンで110点以上を記録している。

 そんななか、2011年からNBAで10年間プレーしたイマン・シャンパート(元ニューヨーク・ニックスほか)が、自身のポッドキャスト番組『All In』の最新回を公開。メンフィス・グリズリーズのレジェンド、ザック・ランドルフとトニー・アレンとともにトークを展開した。

 ランドルフとアレンは、2010年代のグリズリーズの主力で、当時のチームは彼らやマルク・ガソル、マイク・コンリー(現ミネソタ・ティンバーウルブズ)らを擁し、1990年代を彷彿とさせるディフェンシブなバスケットボールを展開。オフェンスではハーフコートとインサイドを中心に11年から7年連続でプレーオフに進出、13年にはカンファレンス決勝まで駒を進めた。

 議題は「もしあの時代のグリズリーズが、現代のNBAで戦ったらどうか?」というもの。現在は攻守の切り替えが激しいスピーディーな展開と3ポイントが中心だが、全員が「十分通用する」と意見が一致した。

 シャンパートはその理由をこう説明する。
 
「あの頃のバスケは常に調整が必要だった。昔の方が“チェスの一手”のような駆け引きが多かったと思う。今はゼロに近い。試合を見ていて『ハーフタイムにコーチは何も言わなかったのか? 何も変えないのか?』って思うことがある。もちろん、自分たちらしさを貫くのも理解できるけどね。

 同じプレーを続けてうまくいかないなら、守備が何をしているかを見て調整すればいい。例えばポストアップを仕掛けてもペイントを固められているなら、ストロングサイドのコーナーにシューターを置けばいい。そうすれば相手は、3ポイントを浴び続けることになるだろ?」

 現代のスタイルは、速攻やアウトサイドシュートに加え、ハーフコートではピック&ロールが主流だ。その背景にはアナリティクスの影響が大きく、ミドルレンジは“最も効率が悪いショット”というデータに基づき、多くの選手が打つことを避け、3ポイント、もしくはペイントアタックを選択するようになった。

 アレンは今日のディフェンスについてこう述べた。

「ピック&ロールで下をくぐる“サグ”(ディフェンス時にマークマンとの距離をあえて取って守ること)は怠けた守備だと思う。スクリーンをファイトして越える選手のために、せめて一瞬でもヘルプに出てくれなきゃ。そうでないと俺には厳しい守備になっていただろうね」

 速さとシュート力が求められる現代にあっても、かつての駆け引きにこそバスケットボールの醍醐味があるのかもしれない。

構成●ダンクシュート編集部

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