日本の至宝はチームのエースからも絶大な信頼を得ているようだ。

　今季のロサンゼルス・レイカーズは、開幕から大黒柱のレブロン・ジェームズを坐骨神経痛で欠きながら、ウエスタン・カンファレンス４位の８勝３敗（勝率72.3％）と好スタートを切った。

　開幕戦こそゴールデンステイト・ウォリアーズに敗れたものの、10月29日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦から５連勝。レブロンに加え、エースのルカ・ドンチッチや成長著しいオースティン・リーブスを数試合欠いたなかで、現在の成績は上々と言っていいだろう。

　そんな好調のチームを攻守で支えているのがキャリア７年目、在籍４年目を迎えた八村塁だ。

　203cm・104kgのフォワードは開幕からチームで唯一となる全試合先発出場を続け、平均16.3点、3.6リバウンド、1.4アシストをマーク。スタメンにドンチッチ（平均37.1点）とリーブス（平均30.3点）というハイスコアリングデュオ、インサイドで奮闘するディアンドレ・エイトン（平均16.5点）がいるため、試合によってシュート数にバラつきがあるなかで、フィールドゴール成功率58.6％（68／116）、３ポイント成功率はリーグ５位の52.4％（22／42）と抜群の安定感を誇っている。

　第４クォーターに猛攻を仕掛け、118－116と逆転勝利を収めた11月５日のサンアントニオ・スパーズ戦後、ドンチッチは八村のパフォーマンスを称賛した。
  「彼に『今日はボールを回してくれなかったね』って言われたよ。だからもっとパスを出さないとね（笑）。

　冗談はさておき、彼は本当に素晴らしいと思う。常に準備ができているし、チームメイトとして最高の人間だ。そういう人間がチームにいるのは大きい。彼の今季のスタートは本当に過小評価されていると思う。今後もこの調子で続けてほしいね」

　この試合で15得点、２リバウンドをあげた八村は、勝負所で真価を発揮。第４クォーター残り５分15秒、左ウイングでドンチッチのパスから２点差に迫る貴重な３ポイントを決めると、１点リードの残り１分40秒には、ヴィクター・ウェンバンヤマの動きを読んでテイクチャージに成功。これで相手エースをファウルアウトに追い込み、勝利を手繰り寄せた。

　10日に行なわれたシャーロット・ホーネッツ戦では、後半だけで７本のショットをすべて決めて17得点、計21得点の活躍で再び勝利に貢献した八村。評価をさらに高めつつある27歳は、2020年以来６シーズンぶりの王座奪還を狙う名門レイカーズにとって、不可欠なピースとなっている。

構成●ダンクシュート編集部

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