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「第3クォーターは持ちこたえたんですけど…」ヒート戦終盤の失速を悔やむ八村塁。逆転負けで8位マジックとの差が拡大

秋山裕之

2020.03.10

ヒート戦で40分間出場し守備で貢献した八村だが、攻撃では今季2度目の無得点に終わった。(C)Getty Images

 ワシントン・ウィザーズは、3月8日(日本時間9日)のマイアミ・ヒート戦に89-100で敗れ、今季の戦績を23勝40敗とした。

「前半と第3クォーターはしっかり持ちこたえたんですけど、4クォーターのところで相手がシュートを決めて、僕らはシュートを決められないという状態が続きました」

 そう振り返ったのは、この試合でフィールドゴール0.0%(0/8)の無得点、6リバウンド、3アシスト、1スティールに終わった八村塁。前半終盤に3つ目のファウルをコールされ、ファウルトラブルになる中、39分33秒もコートに立ち続けたが、キャリア2度目の無得点に。

 ウィザーズは同点で迎えた最終クォーター開始からモリッツ・ヴァグナーのレイアップ、ダービス・ベルターンスの3ポイント、シャバズ・ネイピアーの2連続3ポイントが決まり、残り9分24秒で83-75と8点のリードを手にしたものの、その後6得点しかあげることができなかった。

「終盤、相手のフィジカルの強さが増した。83-75とリードしていたんだが、我々は突然、シュートが決まらなくなったんだ。相手はよく手を出して邪魔をした。オープンになるだけでも大変だったから、ものすごくエネルギーを消費させられたんだ。相手選手たちは身体能力が高くて手足も長く、スイッチもうまい。それにペリメーターの選手たちはものすごく積極的。我々がスイッチした時は、ドライブされて抜かれてしまった」とスコット・ブルックス・ヘッドコーチも終盤にギアを上げたヒートに対抗できなかったことを指摘。
 
 前半だけで20得点を記録したエースのブラッドリー・ビールも、後半はフィールドゴール7.1%(1/14)、3ポイント11.1%(1/9)でわずか3得点と沈黙。「相手がドライブレーンをうまく塞いできた。ペイントエリア内へ入れなかったから、全部外から打たされてしまった。相手はリバウンドも強いから、優位になってしまったんだ」とビールは言う。

 ウィザーズはチーム全体でフィールドゴール33.3%(26/78)と不発。3ポイントを40.4%(19/47)と高確率で沈めてカバーしたものの、2ポイントの成功はわずか7本。ペイントエリアの得点で14-36、リバウンド数でも38-56とヒートに大差をつけられた。

「俺たちのピック&ロールに対して、彼らはスイッチをうまく活用していて、ダブルスイッチやレイトスイッチで俺に対して邪魔してきた。それでも、何とかリング下を攻めて決め切らないといけない。3ポイントが入らない時、得点する方法を見出すことが必要だ」(ビール)

 ウィザーズはトーマス・ブライアント、ヴァグナー、そして八村というペイントエリアを主戦場とする3人が、ヒート戦では計6得点。オールスタービッグマンのバム・アデバヨの前にファウルを何度も献上し、12本ものフリースローを与えてしまったことも勝敗に響いた。

 手痛い逆転負けを喫し、ウィザーズはイースタン・カンファレンス8位のオーランド・マジック(29勝35敗)とのゲーム差が5.5まで拡大。プレーオフ進出は相当厳しくなったと言わざるを得ないが、チーム一丸となって最後まで意地を見せてほしいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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