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NBA

「パトリックがチームを傷つけた…」ニックスの用心棒オークリーが、ブルズとの93年カンファレンス決勝の敗因を分析

秋山裕之

2020.05.05

オークリーは最初の2試合で平均15リバウンドを奪い、チームは2連勝。しかしそこから4連敗を喫し3年連続でブルズの前に散った。(C)Getty Images

オークリーは最初の2試合で平均15リバウンドを奪い、チームは2連勝。しかしそこから4連敗を喫し3年連続でブルズの前に散った。(C)Getty Images

 マイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズのラストシーズンを追った『ザ・ラストダンス』。5月3日(日本時間4日、日付は以下同)に公開された第6話では、ブルズが1990年代前期に3連覇をかけて臨んだ93年のプレーオフが描かれていた。

 最終的にブルズはファイナルに勝ち進み、チャールズ・バークレー擁するフェニックス・サンズを6戦の末に下し、3連覇を達成したのだが、イースタン・カンファレンス決勝で苦戦を強いられたことも見逃せない。

 この年、イーストの頂上決戦を争ったのはニューヨーク・ニックス。前年のプレーオフではカンファレンス準決勝で第7戦までもつれる大混戦となるなか、ジョーダンが42得点、スコッティ・ピッペンがトリプルダブル(17得点、11リバウンド、11アシスト)、ホーレス・グラントが14得点、4スティール、4ブロックと活躍し、ニックスに引導を渡していた。

 あと一歩のところで敗れたニックスは、打倒ブルズを果たすべく、シーズン終了後にロースターにメスを入れた。先発シューティングガード(SG)のジェラルド・ウィルキンズと司令塔マーク・ジャクソンを放出し、4度のオールスター出場歴を誇る点取り屋のローランド・ブラックマン、ベテランガードのドック・リバース(現クリッパーズHC)、大柄で身体能力が高いチャールズ・スミスという3人を獲得する。
 
 パトリック・ユーイング、チャールズ・オークリー、アンソニー・メイソンといった屈強なフロントコート陣を擁するニックスは、シックスマンとしてブルズとのシリーズで活躍したジョン・スタークスを先発SGに昇格。ここに新加入のリバースを加えた豪華布陣で92-93シーズンに挑み、名将パット・ライリーHC(ヘッドコーチ)の下、チームはイーストベストの60勝22敗を記録する。

 プレーオフに入ってもファーストラウンドでインディアナ・ペイサーズを3勝1敗、カンファレンス準決勝ではシャーロット・ホーネッツを4勝1敗で下し、ブルズとのリマッチを迎えた。

 ホームのマディソンスクエア・ガーデンで行なわれた最初の2戦は、ユーイングとスタークスの活躍でニックスが連勝。第2戦残り約1分、ニックス3点リードの場面ではスタークスがグラント、ジョーダン越しに左腕1本の強烈なダンク(通称ザ・ダンク)をお見舞いし、ニックスがシリーズの主導権を握ったかに思われた。

 だがホームに戻ったブルズは、第3戦でピッペンが29得点、第4戦ではジョーダンが54得点と大爆発し、2勝2敗のタイに戻した。

 勝利したチームがファイナル進出へ王手をかける重要な第5戦は、終盤までもつれる展開となるなか、1点を追う終盤にスミスがリング下でボールを手にする。ところが、ピッペンやグラントなど4本連続でブロックを浴びてしまい勝負あり。続く第6戦もニックスは敗れ、再びブルズの前に散った。
 

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