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NBA

ジョーダンが最も警戒していたチームはロケッツ?当時の指揮官と選手が明かした“神の見解”

ダンクシュート編集部

2020.05.16

90年代のジョーダンズ・ブルズに支配的なビッグマンはおらず、チームはオラジュワン擁するロケッツに対して10勝13敗と苦手にしていた。(C)Getty Images

90年代のジョーダンズ・ブルズに支配的なビッグマンはおらず、チームはオラジュワン擁するロケッツに対して10勝13敗と苦手にしていた。(C)Getty Images

 シカゴ・ブルズが最後に優勝した1997-98シーズンに密着して撮影したドキュメンタリー10部作『ザ・ラストダンス』が放映されており、1990年代を席巻した常勝軍団に再び脚光が当てられている。1993年にマイケル・ジョーダンが引退していなければ、2度のスリーピート(3連覇)だけでなく、94~95年も含めて8連覇を果たしていたのではないか、という議論がかねてからされてきたが、“神様”本人はそう簡単にいくとは思っていなかったようだ。

 91~93年に史上3チーム目の3連覇を達成したブルズは、翌シーズンの開幕前にジョーダンが電撃引退を発表した。これによって“第2の男”だったスコッティ・ピッペンが新エースに昇格したが、93-94シーズンは好敵手ニューヨーク・ニックスに一歩及ばずカンファレンス準決勝で敗退。翌94-95シーズンはジョーダンが終盤戦で復帰するも野球挑戦による1年半のブランクで本来の姿には程遠く、カンファレンス準決勝でシャキール・オニール&ペニー・ハーダウェイ擁するオーランド・マジックの前に涙を呑んだ。

 この間、NBAの頂点に立ったのがヒューストン・ロケッツだ。必殺技“ドリームシェイク”を武器にインサイドを支配した名センターのアキーム・オラジュワンを中心に、ロバート・オリー、サム・キャセール、ケニー・スミスと実力派の職人が揃い、難敵たちを撃破。95年にはジョーダンのライバルでもあったクライド・ドレクスラーをトレードで獲得し、史上5チーム目の連覇を成し遂げた。
 
 ここで浮上するのが、ジョーダンが引退していなかったらロケッツの代わりに頂点に立ち、96~98年の後期3連覇と合わせて計8連覇を成し遂げていたのではないか、という仮説だ。ただ、『ザ・ラストダンス』公開後にスティーブ・カー(現ゴールデンステイト・ウォリアーズ・ヘッドコーチ)が「マイケルがチームにとどまっていたら、8連覇していただろうと言われることもある。勝ち続けることがどれだけ感情的な消耗を伴うのか、人々は分からないんだ」と話したように、事はそう単純ではないという。

 ブルズが最初に3連覇を達成した91~93年も、シーズンでの直接対決はロケッツの5勝1敗。ビル・カートライトやルーク・ロングリーのセンター陣ではオラジュワンに対抗する術はなく、むしろロケッツ優勢のデータの方が多い。

 当時ロケッツを率いたルディ・トムジャノビッチHCは、ジョーダンもロケッツを警戒していたことを『The Athletic』で明かしている。ジョーダンが2度目の引退後、ロケッツがアウェー遠征でフェニックスに飛んだ際、チャールズ・バークレーがトムジャノビッチとアシスタントを夕食に招待。その場にジョーダンとタイガー・ウッズという2人のサプライズゲストがいたという。
 

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