バスケW杯

2連敗で予選敗退が決定した日本…アメリカ相手の"消化試合"に何を求めるべきか

中村健吾(ダンクシュート編集部)

2019.09.04

渡邊は「まだ試合は続く」とアメリカ戦に向けて気持ちを切り替えていた。(C)Gettu Images

 ワールドカップ前は八村塁、渡邊雄太という2人のNBA選手、そして元NBAで帰化選手のファジーカス ニックという"ビッグ3"をフロントコートに揃え、"史上最強"と言われていた日本代表。だが、1次ラウンド初戦でトルコに19点差で敗れると、昨日のチェコ戦も試合序盤こそ互角の勝負を演じるも、第2クォーター以降は徐々に点差を離され、最終的には2桁点差で敗退した。

 その後、行なわれたアメリカとトルコの試合でアメリカが勝利したため、1試合を残して日本のグループ最下位が決定。これにより7日から東莞で開催される下位グループ戦に回ることとなった。

 3戦目のアメリカ戦は"消化試合"となるが、FIBAランキング1位のバスケ大国に対して、日本はどのようなプレーが通用するか、また、自分たちの現在の立ち位置を知る意味では絶好の機会となる。

 今大会のアメリカはジェームズ・ハーデンを筆頭にスーパースターが次々と出場を辞退。今回のメンバーでNBAのオールスターに出場経験のあるのはケンバ・ウォーカー、クリス・ミドルトン、ブルック・ロペスの3人だけだ。8月の強化試合ではオーストラリアに敗れ、大会前に発表されたパワーランキングではセルビアに次ぐ2位に沈んだ。さらに昨日の試合ではトルコにオーバータイムに持ち込まれるなど、今後に不安が残る結果となった。
 とはいえ、ロースター全員が世界最高峰のリーグで活躍する選手であり、チームを率いるのはスパーズを5度の優勝に導いた、NBA屈指の名将グレッグ・ポポビッチ。

 今大会のアメリカは絶対的な強さこそないものの、日本にとっては超がつくほどの格上であり、勝てる可能性は限りなく低いだろう。しかし渡邊雄太がチェコ戦後に「まだまだワールドカップは続くので、これからも成長していきたい」と語ったように、やるべきことは残っている。

 八村、渡邊というNBA選手の誕生によって日本のバスケは新たな次元に突入したが、"世界との差"はまだ大きい。

 明日のアメリカ戦が日本バスケ界のさらなるレベルアップにつながることを期待したい。

取材・文●中村健吾(ダンクシュート編集部)
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