NBA

コミッショナーの“高齢コーチはベンチ外”発言に指揮官たちが反論「年齢で区別すべきではない」

ダンクシュート編集部

2020.06.05

高齢のHCを特別扱いしたシルバーの発言に対し、ジェントリーらが声を上げた。(C)Getty Images

 6月4日(日本時間5日、日付は以下同)に行なわれたオーナー会議で、7月31日のシーズン再開が決定したNBA。そのなかで、アダム・シルバー・コミッショナーの"ある発言"が波紋を呼んでいる。

 TNTの『Inside the NBA』に出演したシルバーは、「一部のコーチを守るために、彼らはベンチに入れないかもしれない」とコメント。その"一部"とは高齢のコーチのことで、"65歳以上の人は感染のリスクが高い"というアメリカ疾病予防管理センターの発表を受けての発言と思われる。

 現在のリーグで、満65歳以上のヘッドコーチ(HC)は3人。サンアントニオ・スパーズのグレッグ・ポポビッチ(71歳)、ヒューストン・ロケッツのマイク・ダントーニ(69歳)、ニューオリンズ・ペリカンズのアルビン・ジェントリー(65歳)で、いずれも再開後にシーズンを戦うチームの指揮官だ。

 シルバーの発言に対し、そのうちの1人のジェントリーは「意味がわからない。(ベンチに入らず)どうやって私は指揮を執ればいいんだ?」と反論。また、ダントーニも、65歳以上のコーチ陣がマスク着用を義務付けられる可能性があることを問われ「全員の安全を守るためならわかるが、『一部の人により大きなリスクがあるから』という理由でそうなるのは望んでいない」「全コーチが着用するならまだしも、我々だけというのは理解できない」と、高齢のコーチを特別扱いすることに難色を示した。
 
 これらの発言を受け、NBAコーチ協会の会長であるリック・カーライル(ダラス・マーベリックスHC/60歳)はシルバーに直接発言の意図を確認。2人の間に次のような会話があったと明かしている。

「さっきアダム・シルバーと話した。彼はTNTでの発言を『先走ってしまった』と認めたよ。我々コーチの健康と安全が何よりもまず大事なこと。60、70代のコーチが、30、40代のコーチよりも健康なことだってあり得る話だ。年齢で区別すべきじゃない。すべてのコーチにとって安全で平等な決断を下せるように、ともに協力し合うことをアダムは約束してくれたよ」

 シーズンの再開は決定したが、安全に行なうためにクリアすべき事項はまだ山積みのようだ。

構成●ダンクシュート編集部

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