NBA

シクサーズがペニーではなく、ブラッドリーを取ったのはなぜ?93年ドラフトで犯した“痛恨のミス“を当時のGMが回顧

ダンクシュート編集部

2020.06.14

シクサーズは93年のドラフト2位でブラッドリーを指名。しかし229㎝の巨人は2年間のブランクもあって伸び悩み、チームは95年11月にネッツへトレードした。(C)Getty Images

 NBA史上3位タイの身長229cmを誇り、1996-97シーズンにはブロック王(3.40本)に輝いたショーン・ブラッドリーは、大成しなかったビッグセンターの1人として認知されている。同年のドラフト上位にはクリス・ウェバー、アンファニー・"ペニー"・ハーダウェイ、ジャマール・マッシュバーン、アイザイア・ライダーとタレントが揃っており、当時ブラッドリーを指名したフィラデルフィア・セブンティシクサーズのゼネラルマネージャー(GM)は、ペニーを選択しなかったことを後悔している。

 ブラッドリーはブリガムヤング大1年時、全34試合に出場して平均14.8点、7.7リバウンド、5.21ブロックとセンセーショナルなシーズンを送った。しかし、敬虔なモルモン教徒だったため、オーストラリアへ渡って宣教師として2年間活動。その後、アメリカに戻り、1993年のドラフト1巡目2位指名でシクサーズ入りを果たした。

 ブロックは平均3本以上を記録するも、センターながらリバウンドは標準レベル、FG成功率も4割台前半とパンチ力に欠け、95年11月、デリック・コールマンらとの3対3のトレードでニュージャージー・ネッツへ放出された。96-97シーズン途中にダラス・マーベリックスに加入し、8シーズン半を過ごして現役生活にピリオドを打った。通算832試合で平均8.1点、6.3リバウンド、2.55ブロックはドラフト2位指名の期待に応えたとは言い難い結果だ。
 
 シクサーズのアシスタントやヘッドコーチを歴任し、92~94年はGMを務めたジム・ライナム氏は『NBC Sports Philadelphia』で、「もしシクサーズがブラッドリーをドラフトしていなかったら?」というテーマに向き合っている。ブラッドリーの不発に関しては、"空白の2年間"が大きかったという。

「ブラッドリーはそのブランクにより、NBAでプレーする準備ができていなかった。2年間、バスケットボールどころか運動は何もしていなかった。走ったり、ジムに行ったり、(アスリートとしての)コンディション維持は何もせず、(宣教師としての)自分の使命にコミットしていた。背が高いからバスケットボールの道に進んだだけだった。ナイスガイではなかったと言っているわけじゃないが、期待されていたのとは逆方向に進んでいた」

 94~99年にチームに所属し、シカゴ・ブルズ前期3連覇のメンバーでもあるスコット・ウィリアムズは、ブラッドリーが抱えていた"選手としての欠点"を指摘している。

「シクサーズはブラッドリーがチームのスターになるとプロモーションしていた。身長229cm、ゴールに近づけばボールを簡単に叩き込める能力を持っていた。だが、ブラッドリーの問題はチームに要求された役割以外をしようという意欲がなかったことだ」