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NBLからNBA移籍へ――オーストラリア行きが決まった馬場雄大が参考にすべき選手とは?

秋山裕之

2020.07.21

クレッグはNBLで3年間プレーし、17年にナゲッツと2WAY契約を締結。持ち味のディフェンスで指揮官からの信頼を獲得し、18年に本契約を手にした。(C)Getty Images

 大学在学中の2017年にBリーグのアルバルク東京でプロデビューを飾った馬場雄大。日本人離れした身体能力を生かしたプレーで1年目から新人王に輝くと、19年にはベストシックスマン賞とファイナルMVPに輝いた。

 さらに今季はマーベリックス傘下のGリーグチーム、テキサス・レジェンズでプレーし、平均6.3点を記録。デビューから着実にステップアップを続けてきた24歳は7月19日に、メルボルン・ユナイテッド(オーストラリア)と契約したことを発表した。

 新天地となるオーストラリアは現在FIBAランキング3位で、2016年のリオ・デジャネイロ五輪で4位、昨夏に中国で行なわれたワールドカップでも4位と、ここ数年で着実に実績を残している強豪国だ。
 
 今季は、元ゴールデンステイト・ウォリアーズのアンドリュー・ボーガットや、今年のドラフト上位候補に挙げられているラメロ・ボールがNBLでプレー。かつてはジョー・イングルズ(現ユタ・ジャズ)やパティ・ミルズ(現サンアントニオ・スパーズ)、マシュー・デラベドーバ(現クリーブランド・キャバリアーズ)も同リーグに在籍経験がある。

 このようにNBLからNBAへと渡った選手は数多く、その逆パターンも決して少なくはない。
 
 なかにはドラフト外でNBL入りし、3シーズンをプレーしてNBA行きの切符を手にした選手もいる。それがデンバー・ナゲッツでローテーション入りしているトーリー・クレッグだ。

 3シーズン目となった2016-17シーズン、クレッグはオールNBL2ndチームと、NBLベストディフェンシブプレーヤーに選出された。これにナゲッツの首脳陣が目をつけ、17年7月にチームと2WAY契約を締結。翌18年7月に複数年契約を結び、強豪ナゲッツが誇るディフェンシブストッパーとして活躍している。

 26歳でNBAデビューを飾った201㎝・100㎏のクレッグは、馬場(198㎝・89㎏)と比べて少し大きく、ディフェンスが持ち味の選手。3ポイント成功率はキャリア平均で32.1%とそれほど高くはないものの、守備でNBAでの地位を確立している点は馬場にとっても参考になるだろう。

 昨年のプレーオフ1回戦、ナゲッツはサンアントニオ・スパーズとの第3戦でデリック・ホワイトに36得点を奪われ、1勝2敗とシリーズをリードされたのだが、第4戦でマイケル・マローン・ヘッドコーチがホワイトの刺客として送り込んだのがクレッグだった。