NBA

再開シーズン初戦を控えた八村塁が掴んだ“確かな手応え”と、指揮官が与えた“3つの課題”

秋山裕之

2020.07.31

八村はスクリメージ3試合でいずれもチーム最多得点をマーク。ベテラン選手たちと対峙することで、守備でも着実に成長を見せている。(C)Getty Images

 7月30日(日本時間31日、日付は以下同)。NBAがフロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内にある"バブル"(リーグによって隔離された空間)で、約4か月半ぶりにシーズンを再開させた。

 無観客試合とはいえ、さすがは世界最高のプロバスケットボールリーグ。この日行なわれたユタ・ジャズ(ウエスト4位)対ニューオリンズ・ペリカンズ(ウエスト10位タイ)、ロサンゼルス・クリッパーズ(ウエスト2位)対ロサンゼルス・レイカーズ(ウエスト1位)のシーディングゲーム(順位決定戦)2試合はいずれも終盤までもつれた末に2点差での決着と、再開初日から見応え十分の展開となった。

 そして翌31日には日本が誇る至宝、八村塁が所属するワシントン・ウィザーズ(イースト9位)がウエスト13位のフェニックス・サンズ相手にシーディングゲーム初戦に挑む。

 3試合のスクリメージ(練習試合)で平均17.3点、7.3リバウンドを記録し、チームのトップスコアラーとなった八村は29日の練習後、「(長い中断期間を経て)NBAのスペーシングにも慣れてきました」と頼もしい言葉を残している。
 
 この3試合で八村はポール・ミルサップ(デンバー・ナゲッツ)やカワイ・レナード、マーカス・モリス(ともにクリッパーズ)、マーキーフ・モリス(レイカーズ)らとマッチアップ。歴戦のベテランたちとの対戦は、攻守両面で貴重な経験となったようだ。

「リーグでずっと活躍してきている選手たちをこの3試合でガードして思うのが、身体つきもそうですし、身体の使い方も上手いなぁと。どういうところでファウルをもらうかとか、シュートセレクションとかも完璧ですし、テレビで観ているのと実際やるのとでは違うので、今はそういうところを学ぶことができていると感じます」

 プレーオフ進出へ向けた初戦の相手はサンズ。昨年11月27日の試合では140-132で勝利したものの、八村自身は技巧派のダリオ・シャリッチやストレッチ5のフランク・カミンスキーらと対峙し、フィールドゴール25.0%(2/8)の6得点に終わっている。さらにサンズはその試合で2人の屈強なビッグマン、ディアンドレ・エイトンとアーロン・ベインズが欠場。両選手がラインナップに加わる次戦は、前回以上に厳しい戦いが予想される。
 
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自身が成長を感じる部分と指揮官の評価