NBA

プレーオフから遠ざかること14年。キングスのGM交代劇は上昇への起爆剤となるか?

秋山裕之

2020.08.28

長年プレーオフから遠ざかっていたものの、近年はあと一歩まで迫っていたキングス。オフのGM交代で来季はどうなる?(C)Getty Images

 サクラメント・キングスが最後にプレーオフに進出したのは2006年。以来、14年にわたって苦杯を舐め続け、今季も意気揚々とシーディングゲーム(順位決定戦)に臨んだものの、結果は3勝5敗で早々に出場争いから脱落。長年の目標をクリアすることはできなかった。

 8月9日(日本時間10日、日付は以下同)のヒューストン・ロケッツ戦を112-129で落としプレーオフ出場の夢が絶たれた後、ルーク・ウォルトンHC(ヘッドコーチ)はこのように語っていた。

「我々は何があろうと勝利するまで考え方を変えなければいけないし、その事実を理解しなければならない。大事なことは、バブル(シーズン再開後の開催地)で得た全ての経験をレッスンとして学び、こういった試合をプレーしていかなければいけないということだ」

 するとキングスは14日にブラデ・ディバッツGM(ゼネラルマネージャー)、翌15日にはアシスタントGMのペジャ・ストヤコビッチの退任を発表。プレーオフの常連だった1990年代末~2000年代中盤にかけて、チームの主軸として活躍した不動の先発センターとエーススコアラーに別れを告げることとなった。
 
 ディバッツは2015年にキングスのバスケットボール運営部門のバイスプレジデントに就任。その後GMとして尽力してきたものの、古巣をプレーオフへと返り咲かせる使命はついに果たすことができなかった。

 とはいえディバッツ就任後、キングスが徐々に戦えるチームになったことは間違いない。昨季はウエスタン・カンファレンス9位の39勝43敗(勝率47.6%)。今季は31勝41敗(勝率43.1%)の12位ながら、第二幕でプレーオフ争いに参戦するなど、着実に前進していたと言っていい。

 昨季途中にトレードでキングスに加入し、兄貴分として攻守両面で安定した活躍を見せていたハリソン・バーンズは『NBC Sports California』にてディバッツの功績について語った。

「ブラデがやってきたこと全てに感謝している。自分のためだけじゃない、キングスというチームのためにやってくれたことをね。自分がドラフト指名された2012年当時、このフランチャイズがどんな状態だったのかを覚えている。彼はこのチームにタレントを揃えるべく、素晴らしい仕事をしてきたと思う。彼は間違いなく、この組織を成功へつなげる土台を作ってくれたんだ」
 
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