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NBA

新型コロナウイルスは各球団の補強戦略にも影響。大型移籍皆無、近年で最も無風のオフが訪れる!?

杉浦大介

2020.08.28

ドラモンドは6月下旬、プレーヤーオプションを行使してキャブズに残留する意向であることを表明している。(C)Getty Images

ドラモンドは6月下旬、プレーヤーオプションを行使してキャブズに残留する意向であることを表明している。(C)Getty Images

 4か月の中断期間を経て、NBAの2019-20シーズンは7月30日から再開され、現在はプレーオフに突入している。一方、スケジュールが大幅に後ろ倒しになったことで、各球団の補強戦略は修正を迫られることが濃厚。来季のサラリーキャップも据え置きになる見込みで、大型移籍皆無の“静かなオフ”が訪れそうだ。

■新型コロナウイルスは各チームの補強戦略にも影響 

 新型コロナウイルスでスケジュールが後ろ倒しになったことによる影響は、今季だけにとどまらない。シーズンの終了は10月中旬までずれ込み、ドラフトは10月16日、FA市場の解禁は10月18日になると見られている(さらに延期の可能性あり)。つまり優勝チームのメンバーが、ファイナルからわずか1週間後には別のチームのユニフォームを着ている可能性があるということだ。

 当初の予定通り、12月1日に来季が開幕するのであれば、トレーニングキャンプは11月10日に開始予定というのだから、オフは極めて短くなりそうだ。この目まぐるしいタイムテーブルは、各チームの補強プランにも様々な形で影響してきそうである。
 
 このような状況下で、今オフにマーケットに出るFA選手たちはタイミングが悪いとしか言いようがない。近年は順調に上昇を続けていたサラリーキャップは、今季の1億914万ドルから来季は1億1500万ドル程度まで上がると予想されていた。しかし、シーズン中断による試合数減少により、いわゆるBRI(basketball-related income=バスケットボール関連収入)の激減は必至なため、キャップは今季と同額のまま据え置きになるかもしれない。 

 そうなれば、今オフに2000万ドル以上のキャップスペースを得ると目されていたホークス、ホーネッツ、ピストンズ、ヒート、ニックス、サンズの補強プランも軌道修正を余儀なくされかねない。

 また、ラグジュアリータックス(贅沢税)が発生するラインも1億3263万ドルのまま据え置きになるとしたら、超過が予想されていたセルティックス、ネッツ、ウォリアーズ、シクサーズだけでなく、ボーダーライン上にいた他のチームも、より多くの額を支払わなければならなくなるかもしれない。こういった流れを見ると、今オフは極めて渋いオフになる可能性が高そうだ。
 
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