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デュラントが「本当に尊敬できる人物」と全幅の信頼を寄せるネッツの新指揮官ナッシュ。過去の例から成功の可能性を探る!

秋山裕之

2020.09.04

コーチ未経験のまま指揮官に就任したナッシュ(写真)だが、デュラントは「本当にリスペクトしている人」と信頼を寄せる。(C)Getty Images

 9月3日、ブルックリン・ネッツの新ヘッドコーチ(HC)に就任することが発表されたスティーブ・ナッシュ。現役時代は18年間のキャリアで2度のシーズンMVPに輝いたほか、8度のオールスター選出(出場は7回)、7度のオールNBAチーム入り、そして5度のアシスト王を獲得している、間違いなくリーグ史上屈指の名司令塔だ。

 キャリアスタッツは平均31.3分の出場で14.3点、3.0リバウンド、8.5アシストをマークし、通算でも歴代3位の1万335アシストを記録。さらにフィールドゴール成功率49.0%、3ポイント成功率42.8%、フリースロー成功率90.4%と、シュート全般で高精度を誇る名シューターでもあった。

 フェニックス・サンズ、ダラス・マーベリックス所属時は、リーグトップクラスのオフェンシブチームを司令塔として牽引。これまでHC経験はないものの、ポイントガード(PG)という役割を超越し、リーダーとしてコート内外でチームをまとめ上げてきた実績がある。
 
「我々はスティーブのことをリーダー、コミュニケーター、そしてこのチームの選手たちからリスペクトを集めるメンター(助言者)になると考えている。史上最も偉大なオンコートリーダーの1人であり、バスケットボールに対する鋭い洞察力と無視無欲のアプローチで、チームの成功を最優先させてきたプレーヤーだと私は見ている。彼のゲームに対する生来の素質、コミュニケートできる能力、選手たちを共通のゴールへと団結させる力が、このチームをリーグで最も高いレベルで競い合わせる心構えとなるだろう」

 この数週間、ナッシュと契約すべくアグレッシブに行動したネッツのショーン・マークスGM(ゼネラルマネージャー)は、リリースのなかでそう話しており、新たな指揮官に大きな期待を寄せている。

 これに対して、ナッシュも「ネッツというトップクラスの組織で、このような機会を与えてもらえてとても光栄だ。ショーン、そしてジョー(オーナーのジョー・ツァイ)とその奥さんに感謝している。コーチングは、私が追い求めていたことでもあった。ブルックリンに在籍する素晴らしい選手、スタッフたちとともに仕事ができて恐縮だし、凄く興奮しているよ」と意気込みは十分だ。
 
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過去の例に見る、ナッシュの成功の可能性