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八村塁はNBAで通用するのか――現地記者が激論、カワイ・レナードとの類似点も?

ダンクシュート編集部

2019.09.26

ワールドカップでの八村のプレーを観て、レンチナー氏は最大級の賛辞を送った。(C)Getty Images

 八村塁は、本当にNBAで通用するのか――。

 日本人のみならず、ファンの誰もが気になるこの命題について、現地で長くNBAを取材している記者たちが激論を交わした。
杉浦大介(以下杉浦):2人ともワールドカップにおける八村のプレーを見たと思うけど、どんな印象を持った?

ジェフ・レンチナー(以下JL):コンディションの問題で途中離脱を余儀なくされたけど、八村はこれまでと同様か、それ以上にいい面を披露してくれたと思うよ。彼は賢くて、違いを生み出せるプレーヤーだ。僕は彼のスコアリング能力を高く評価している。あの能力があれば、息の長いキャリアを送ることができると思っている。これは僕なりのデビュー前のルーキーに対する最大限の賛辞だよ。

クリス・シェリダン(以下CS):アメリカ代表の選手たちは、日本のNBAプレーヤーたちを止めることにフォーカスして日本戦に臨んでいた。そしてそのプランが功を奏した。選手がコート上にいる時の得失点を示すプラスマイナスで八村は-48だった。渡邊雄太も-49。長くこのスポーツを見てきたが、こんな数字を見たのは私も初めてだ。ただ、あの試合に関して言えば、八村を非難するより、アメリカの選手たちのプレーを褒めるべきだろう。

杉浦:では、2人は八村をどう評価している?

CS:まず目を惹かれるのはサイズだ。日本人選手としては飛び抜けて大きく、パワフルだ。八村の父親の母国であるベナンはモンテネグロと同じくらい長身の人が多い国だが、その系譜を継いでいるのか、身体の強靭さが際立っている。

杉浦:プレーはどうかな?

CS:サマーリーグでは派手なパフォーマンスよりも、堅実なプレーに終始していた。25得点あげたゲームもあったし、昨季はゴンザガ大で平均20点近い数字をマークしているけど、華やかなプレーを連発するというイメージはない。堅実で聡明な選手。ドラフト1巡目で指名されるのは予想通りだったが、ウィザーズが9位という高順位で指名したのは少し驚きではあった。現状ではなく、ポテンシャルが評価されたということ。ウィザーズのスカウト陣が、向こう10年くらいは活躍できる素材だと考えたのだろう。
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