NBA

主力欠場中は八村塁が“エース”に昇格?日本の至宝にかかる期待とプレッシャー

秋山裕之

2021.01.11

八村には2枚看板のウエストブルックとビールの欠場中、攻守でエース級の活躍が期待される。(C)Getty Images

 ワシントン・ウィザーズは1月9日(日本時間10日、日付は以下同)、ホームで昨季NBAファイナルまで勝ち上がったマイアミ・ヒートと対戦し、124-128で敗れた。

 この日のウィザーズはガードのラッセル・ウエストブルック(左大腿四頭筋)とブラッドリー・ビール(NBAの新型コロナウイルスに関するヘルス&セーフティ・プロトコル)、センターのトーマス・ブライアント(左ヒザの負傷)が欠場。

 主力3人を欠いた試合で八村塁は、25分48秒コートに立ち、17得点、5リバウンド、2アシスト。フィールドゴール44.4%(8/18)、3ポイント0.0%(0/3)、フリースロー100.0%(1/1)をあげた。

 得点は今季最多タイと奮闘した八村だったが、フリースローは第1クォーターの1本のみで、ヒートのディフェンスを前にリング下で囲まれてショットミス、あるいはシュートを打てずにパスを出さざるを得ないシーンが続いた。

 第4クォーター序盤に最大24点のビハインドを背負ったウィザーズは、そこから猛反撃。残り約2分からデニ・アブディヤの3連続3ポイントで5点差まで追い上げ、八村は残り約1分に1ポゼッション差にするショットを託された。しかし相手ディフェンス陣に囲まれてショットを決められず、反撃の目は事実上潰えることとなった。
 
 試合後に八村は「今日はファウルトラブルで、ベンチにも座っていなきゃいけない時間が多くて、リズムを掴むのが難しい試合だったんですけど、その中でも自分で頑張ってディフェンスからオフェンスでつなげようとやりました」とコメント。

 この日残した数字は決して悪くはなかったものの、主力3人の抜けた穴は大きく、ウィザーズは多くの時間帯で2桁前後のビハインドを背負っていた。

 オールスター選手のジミー・バトラー(26得点、10リバウンド、9アシスト)とマッチアップした八村は「彼もNBAでもトップに入る選手。毎試合そういう選手とマッチアップしているので、僕にとってすごい経験にもなりますし、チームもそういう人たちをガードできるようにと望んできているので、そこはしっかりと期待に応えたいと思います」と意気込んだ。

 なお、試合直後に左ヒザを痛めて離脱したブライアントは10日にMRI検査を受ける予定で、ウエストブルックとビールがいつ戦列復帰できるかは未定。

 この先ウィザーズは、ホームで11日にフェニックス・サンズ、13日にはユタ・ジャズ戦を控えている。ただ今日の試合同様、主力を欠いた状態で臨むことも考えられ、しばらくは八村が"エース"を任される可能性も十分。日本の至宝には大きな期待とプレッシャーがかかることになりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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