NBA

「簡単には受け入れられない…」ハーデンのトレードに巻き込まれたジャレット・アレンが心境を告白

秋山裕之

2021.01.20

2017年からネッツでプレーしてきたアレンだが、ハーデンのトレードに巻き込まれキャブズへ。今回の移籍について「辛かった」と素直な思いを明かした。(C)Getty Images

 1月13日(日本時間14日、日付は以下同)に報じられた大型トレードで、ブルックリン・ネッツはヒューストン・ロケッツから元MVPのジェームズ・ハーデンを獲得し、ケビン・デュラント、カイリー・アービングとの破壊力抜群の"ビッグ3"を形成。

 新型コロナウイルスの安全衛生プロトコルによって、アービングこそまだ試合に出場できていないものの、ハーデンとデュラントのコンビはリーグを震撼させている。

 だがネッツはハーデンを獲得すべく、数多くの犠牲も払ってきた。4チーム間のトレードで、チームはキャリス・ルバートをインディアナ・ペイサーズへ、ロディオンス・クルーツをロケッツへ、ジャレット・アレンとトーリアン・プリンスをクリーブランド・キャバリアーズへそれぞれ放出。さらには複数のドラフト指名権も手放しており、ビッグ3がプレーヤーオプション(破棄した場合はフリーエージェントになる)の権利を手にする2022年までの2シーズンに賭ける形となった。

 ルバート、クルーツ、アレン、プリンスは昨季までネッツを支えてきた。特にルバートとアレンは昨季のプレーオフ進出に大きく貢献しただけに、チームは選手層の厚さと将来性のある若手選手たちを失ったことになる。
 
 ルバートとアレン、クルーツはネッツ生え抜きの選手で、プリンスも昨季から加入してローテーション入りしていただけに、今回のトレードはショックだったことだろう。

 18日に『Yahoo! Sports』へ掲載された記事の中で、アレンは「当然、僕にとっては辛かった。(トレードは)バスケットボールというビジネスだという人もいるけど、そう簡単に受け入れることはできないよ。だけど僕は前に進むしかないんだ」と胸の内を明かし、こう続けた。

「僕とキャリスをトレードしたことは、あまり言いたくはないけど、ブルックリンのコアの一部を放出したということ。だから僕らのことを応援していた人たちにとって、今回のトレードは間違いなくタフだったと思う。確かにスペンサー(ディンウィディー)とジョー(ハリス)は今も残っている。でも僕らはブルックリンのコアを引き裂かれたと感じているんだ」

 もっとも、アレンはもし自身がゼネラルマネージャーなら、ハーデンの獲得に動いたかと聞かれ、19年にロサンゼルス・レイカーズがアンソニー・デイビスを獲得したトレードを引き合いに出してこう切り返していた。

「正直に言うと、僕でもそうするだろうね。嘘をつくつもりはないよ。レイカーズに起こったことを見たら、同じことをすると思う。彼らは(デイビス獲得に)動いて、リングを手にしたんだから。できるならブルックリンに残りたいけど、僕はあのチームが優勝する機会を手に入れたんだと理解している。だからそうしなきゃと思うよ」