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NBA

目指すは「NBAと欧州バスケのハイブリッド」偉大な兄とともに歩むTJ・パーカーの挑戦

小川由紀子

2021.01.22

フランスのアスヴェルを指揮するTJ・パーカー。兄はNBAのレジェンドでありチームのオーナーを務めるトニー・パーカーだ。(C)Getty Images

フランスのアスヴェルを指揮するTJ・パーカー。兄はNBAのレジェンドでありチームのオーナーを務めるトニー・パーカーだ。(C)Getty Images

 今シーズン、ユーロリーグに参戦するフランスのアスヴェルを率いるTJ・パーカー。現在ユーロリーグで最年少(36歳)ヘッドコーチを務める彼は、一昨季までNBAのサンアントニオ・スパーズなどで活躍したレジェンド、トニー・パーカーの実弟だ。

 アスヴェルはTJの2歳年上の兄トニーがオーナーを務めるクラブだが、自他ともに厳しいトニーに「肉親だから」という理由で重要なポストを任せる甘さはない。TJはアスヴェルで約7年間アシスタントコーチとして修行を積んだのち、昨年6月に晴れてヘッドコーチに昇格した。

 今季は20節を終えた時点で6勝14敗、18チーム中17位と苦戦中だが、フランス国内では強豪の彼らもユーロリーグ出場はまだ7回目という新参者だ。2009-10シーズンから10年のブランクを経た昨季、出場枠拡大によるワイルドカードを獲得して2年間の参戦権を得た。
 
 チーム構成は、2016年のNBAドラフトでボストン・セルティックスから16位指名を受けたフォワードのガーション・ヤブセレやセンターのムスタファ・フォール、ガードのアントワン・ディオらフランス国内組と、元マイアミ・ヒートのノリス・コールなどフランスリーグの経験が長いアメリカ人選手が中心。そして指揮官同様、選手も20代が大半という若いラインナップとなっている。

 未熟さゆえか、今季は試合運びの稚拙さで落とした試合も少なくない。第10節のオリンピアコス戦も、残り10秒を切ったところで3点をリードしながら、 相手の最後の攻撃をファウルで止めきれずに3ポイントを許し、オーバータイムに持ち込まれて敗れた。この試合以外にも4点差以内で敗れた惜しい試合が3試合ある。

「ゲームの中ではみんな全力で闘っている。ただ、ここぞという勝負所で、確認した通りのプレーが実践できない。自分たち次第で勝てた試合を落とすというのは悔やまれてならない」とパーカーHCは課題を指摘する。
 
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