NBA

渡邊雄太は本契約を勝ち取れるのか?NBA2年目のシーズンで証明すべきもの

鈴木栄一

2019.10.07

2年目のシーズンに挑む渡邊。7日に行なわれたプレシーズン初戦では、1得点・2リバウンドに終わった。(C)Getty Images

 10月22日にNBAの201920シーズンが開幕する。日本では八村塁(ウィザーズ)のデビューが大きな注目を集めているが、日本人選手として勝負の年となるのがグリズリーズの渡邊雄太だ。今季は2WAY契約の2年目であり、本契約を勝ち取るためには昨季以上のインパクトを残す必要がある。

 昨季の渡邊はNBAで15試合に出場。平均11.6分のプレータイムで、2.6点、2.1リバウンドを記録。2WAY契約のルーキーとして、15試合出場は及第点と言えるが、一方で昨季のグリズリーズは故障者の続出でメンバー編成に苦労していた側面もある。また、シーズン早々にプレーオフ戦線から脱落したこともあり、先行投資の意味も含めて、意図的に若手やGリーグの選手を積極的に起用していたのも無視できない。

 渡邊は主戦場となったGリーグのハッスルで33試合に出場。平均33.9分、14.1点、7.3リバウンド、2.8アシスト、1.2ブロックと中心選手として活躍した。ただ、これもNBAの本契約を狙う選手という立場で、試合30分以上のプレータイムを与えられていることも考えれば、傑出している訳ではない。総じて年目は、まずまずの内容であったと言える。
 
 オフシーズンのグリズリーズの動きを見ると、司令塔のマイク・コンリーのトレードなど、昨季途中から続くチームの再建を加速。テイラー・ジェンキンス新ヘッドコーチの下で、若手を軸にした再スタートを切っていること。そして、アシスタントコーチに昨季、傘下リーグのハッスルで指揮を執ったブラッド・ジョーンズが加入したことは、渡邊にとってプラスだ。

 今季、渡邊が本契約を勝ち取るためには、自分の持ち味をどれだけグリズリーズ首脳陣にアピールできるかにかかっている。渡邊のストロングポイントは、何と言ってもサイズと機動力を備え、ポイントガードからセンターまで対応できる守備力。また、ディフェンシブ・リバウンドを奪って自らボールプッシュできる推進力も売りで、ロールプレーヤーとして様々な役割を担える。そして、チームプレーを確実に遂行し、常にハードワークをできる献身性など、数字に残りにくい部分に渡邊の真髄はある。
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3ポイントシュートの精度向上が本契約を結ぶためのカギに