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ここ数試合の不振から脱却した八村。指揮官が提示した、さらなる飛躍のための「ふたつのやるべきこと」〈DUNKSHOOT〉

秋山裕之

2021.03.15

バックスとの一戦で今季最多の29得点を奪った八村。ここ数戦続いた不振から脱却したと言っていいだろう。(C)Getty Images

 3月13日(日本時間14日、日付は以下同)、ホームのキャピタルワン・アリーナでミルウォーキー・バックスとの一戦に臨んだワシントン・ウィザーズ。試合は第4クォーター残り41.0秒の時点で119-119と同点に追いついたものの、その後シュートを決められず、最終スコアは119-125、接戦を落とし3連敗を喫してしまった。

 この日、ウィザーズはエースのブラッドリー・ビールが左ヒザの痛みで欠場。八村塁は「ブラッド(ビールの愛称)がいなかったので、チームはスコアラーを必要としていたことはわかっていました。だから自分に自信を持って臨みました」と試合後に話したとおり、序盤から積極果敢に攻め立てた。

 試合開始早々に、アレックス・レンのスクリーンからノーマークとなって右ウイングから長距離砲を沈めると、その後もヤニス・アデトクンボ相手にドライブで切れ込んでからストップジャンパー、クリス・ミドルトンを相手にターンアラウンドジャンパーを立て続けにヒット。さらに右ウイングから3ポイント、そしてフリースロー2本を着実に決め切り、第1クォーターだけで12得点を稼ぎ出した。
 
 第2クォーターも左ウイングからの3ポイント成功を皮切りに、ドライブからのタフショット、さらにミドルトンとの1対1からプルアップジャンパーを放り込み、前半だけでフィールドゴール7/10(70.0%)、3ポイント3/3、フリースロー2/2で19得点を奪う活躍を見せた。

 迎えた第3クォーターは、開始直後にターンオーバーを犯したものの、残り10分20秒でロングレンジジャンパーをヒット。さらに昨季苦戦したドリュー・ホリデーとの1対1では、ドライブでペイントエリアへ持ち込みジャンパーを沈めてみせた。

 残り8分50秒にはクロスオーバーでアデトクンボを抜き去り、ブルック・ロペスの上から狙った強烈なダンクで相手のファウルを誘うと、獲得した2本のフリースローを確実に成功。そしてディフェンシブ・リバウンドからコースト・トゥ・コーストでレイアップ、さらにはペイントエリアから流麗な動きでターンアラウンドジャンパーをリングへと突き刺し、この12分間で10得点をマークした。
 
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ここ数試合の不振から脱却し、攻守で躍動した八村