NBA

「ルイとデュラントの共通点はパッションと人間性」ウィザーズのアドキンスACが八村塁を徹底分析!

秋山裕之

2019.10.18

八村はここまでプレシーズン3試合に出場。平均11点・7.7リバウンドという成績を残している(C)Getty Images

 今年6月20日(日本時間21日)のドラフトで、八村塁はワシントン・ウィザーズから全体9位指名を受け、日本人史上初となるドラフト1巡目指名という歴史を作った。

 その後ウィザーズは、FIBAワールドカップ前に行なわれた国際強化試合に向けてデイビッド・アドキンス・アシスタントコーチ(AC)を日本に派遣。東京で約2週間、八村を1対1で指導した。

 今回は、ウィザーズの日本語版公式サイトで、アドキンスACが八村について評していたので紹介しよう。

 東京で行なったマンツーマン指導で取り組んだことについて、アドキンスACは「主にショットを放つまでのフットワーク」と明かし、「NBAの3ポイントラインはカレッジと比較して1フィート(約30㎝)以上遠いからね。昨季、ルイはゴンザガ大で36本の3ポイントを放った。成功率(41.7%)は良かったけど、試投数が少なかったからサンプルとして足りなかったんだ。だから3ポイントを磨くうえで、フットワークとパスをキャッチする位置、ショットを放つ位置、そしてフォロースルーの4点にフォーカスした」と続けた。

 中距離からのジャンパーを得意とする八村は、日本代表として臨んだ試合でも右ローポスト付近から1対1でポストプレーやプルアップジャンパーを駆使して得点を量産。3ポイントを鮮やかに決めるシーンもあり、アドキンスACとのマンツーマン指導はさっそく好結果をもたらしたと言っていいだろう。
「今はその動作がすごく良くなって、練習時に見せるショットの質が上がった。いずれ、ゲームの中でも反映されることになるだろうね」とアドキンスACは言う。

 八村の長所について聞かれると、アドキンスACは「ゲーム中に見せるペースだね。とにかくルイは慌てないんだ。ゴンザガ大の時もそうだった。3年間プレーして、バタバタするようなことはなかったんだ」と指摘。「サマーリーグだけだと評価しにくいが、そこでも彼は慌てることがなかった。プレシーズンでも淡々と自分のペースでオフェンス、ディフェンスをプレーできている。彼は周囲の選手のサイズやパワー、スピードに動揺したりしない」と評価している。

 そしてアドキンスACが称賛したのは、八村が持つ吸収力と多彩さだった。「ルイは1、2回教えただけで修正できるんだ。もともとミドルシュートが上手いが、今は全体的にシュートが安定してきている。相手選手とコンタクトすることを恐れないし、手が大きいからリング付近でもいい働きができる。それにディフェンスでも小柄な選手、大柄な選手に関係なく、しっかり守ることができる。スイッチがうまいし、素晴らしいリバウンダーでもある」とアドキンスAC。
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