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NBA

【名作シューズ列伝】ウェバーはシューズ界の“ジャーニーマン”?自身が社長を務めたDADAの「C4 SUPREME」

西塚克之

2021.05.16

ウェバーは優勝こそならなかったが、キャリア平均20.7点、9.8リバウンド、4.2アシストと実力は申し分なかった。(C)Getty Images

ウェバーは優勝こそならなかったが、キャリア平均20.7点、9.8リバウンド、4.2アシストと実力は申し分なかった。(C)Getty Images

 人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり! 

 今年のバスケットボール殿堂入り候補に挙がっているクリス・ウェバーは、ミシガン州デトロイト生まれ。恵まれた才能と体格で、高校時代に全米高校年間最優秀賞とミシガン州ミスター・バスケットボールに選出されます。

 ミシガン大では、ジュワン・ハワード、ジェイレン・ローズ、レイ・ジャクソン、ジミー・キングという先発が全員1年生、通称“ファブ・ファイブ(fabulous5:驚異の5人)”を結成し、1992、93年と2年連続でNCAAトーナメント決勝に勝ち進みました。

“ファブ・ファイブ”はカレッジバスケ界に旋風を巻き起こしましたが、ウェバーは93年の決勝の終盤、2点ビハインドの状況ですでに使い切っていたタイムアウトを要求。テクニカルファウルを取られ、A級戦犯となってしまいます。思えばこの時の経験が、プロ入り後のアンセルフィッシュなプレースタイル、そして勝負弱さの元凶になったのかもしれません。

 それでもNBAスカウトの評価が下がることはなく、93年ドラフトではオーランド・マジックに1位指名。直後にアンファニー・ハーダウェイとの交換でゴールデンステイト・ウォリアーズに電撃トレードされ、NBAキャリアをスタートさせました。
 
 ウェバーはルーキーイヤーからその才能を如何なく発揮。208cm・111㎏の万能戦士は、平均17.5点、9.1リバウンド、3.6アシスト、2.16ブロック、フィールドゴール成功率55.2%と好成績を残し、文句なしの新人王に輝きます。

 ただ、当時のヘッドコーチだったドン・ネルソンと折り合いが悪く、わずか1年でワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)にトレード。

 その後、サクラメント・キングス、フィラデルフィア・セブンティシクサーズ、デトロイト・ピストンズ、ウォリアーズと渡り歩き、2008年に引退。シューズメーカーも、NIKE、FILA、DADA(ダダ)など“ジャーニーマン”として話題を振りまいた選手でした。

 ウェバーは02年にDADAのバスケットボール部門の社長に就任。自らを広告塔とし、デコラティブなシューズを次々にリリース。なかでも同年のオールスターでお披露目されたメタリックシルバーのモデルはインパクト抜群で、大きな話題を呼びました。



 今回紹介する「C4 SUPREME」は、キングス時代に着用。デザインはハマーやランクルといった大型自動車を想起させ、ブラックカルチャーを象徴するスタイルにマッチ。当時はラッパーやダンサーも着用していました。
 
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