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【名作シューズ列伝】最大の売りは機能面より肖像入りのインソール?アマレ着用の「NIKE AIR MAX 360 BB」

西塚克之

2021.05.30

アマレは2000年代にサンズでナッシュとコンビを結成。豪快なダンクや強力なポストプレーなどで得点を量産し、ハイスコアリングオフェンスの中心を担った。(C)Getty Images

 人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり! 

 アマレ・スタッダマイアーは1982年11月、フロリダ州レイクウェールズで生まれました。12歳の時に父は他界、母は犯罪に走るなど家庭環境は劣悪でしたが、バスケットボールの神様は彼に天賦の才を与えました。

 本格的にバスケを始めたのは15歳とやや遅かったものの、アマレはメキメキと頭角を表します。高校ではバスケ部在籍は2年にもかかわらず、ナイキ主催のサマーリーグでMVPに輝き、オールアメリカンにも選出。大学進学の道もありましたが、家計を助けるためプロの道へ進み、2002年のドラフトでは1巡目9位と高順位でフェニックス・サンズに指名されます。

 208㎝・111kgの立派な体格とビッグマン離れした身体能力を兼備したアマレは、ルーキーシーズンから全82試合(先発は71試合)に出場。平均13.5点、8.8リバウンド、1.06ブロックの堂々たるスタッツを残し、高卒選手として初の新人王に輝きました。
 
 さらに2年目には平均20.6点、3年目の05年にはリーグ5位の26.0点でオールスターデビューと、若くしてリーグを代表するインサイドプレーヤーに成長しました。



 しかし、翌年は右ヒザの手術により3試合しか出場できずシーズン終了。不本意な1年を過ごしたアマレにNIKEが用意したのが、今回紹介する「NIKE AIR MAX 360 BB」です。



 06年8月にリリースされたモデルは、NIKEのオリジナルの360度のビジブル(可視)化に成功した"MAX 360 AIR"を搭載。ミッドソールユニットを排除してペバックス素材(半透明のカゴ)で補強し、エアを可視化しながらも安定性と耐久性を保ち、軽量化も実現しました。"MAX 360 AIR"はアウトソールからも見ることができ、グリップ力も担保されている優れものです。



 アッパーはアマレのパワーを受け止めるため、プレミアムシンセティックスとフルレングスレザーで構成。ストラップは足首をしっかりとホールドします。

 最大の見どころはインソールにプリントされた 、アマレ、チャールズ・バークレー、モーゼス・マローンの肖像。バークレーはサンズのOB、マローンは同じ高卒選手だからか、詳しい経緯は分かりませんが、殿堂入りレジェンド2人とフィーチャリングされたアマレは23歳の若さで、NIKEの顔として認められたのです。
 
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