今季のフェニックス・サンズが、ここまでの躍進を遂げると予想した者はそう多くないだろう。

　レギュラーシーズンで51勝21敗の好成績を残し11年ぶりのプレーオフ進出を果たしたばかりか、１回戦は昨季王者ロサンゼルス・レイカーズを４勝２敗で、カンファレンス準決勝ではデンバー・ナゲッツをスウィープで撃破。ロサンゼルス・クリッパーズとのカンファレンス決勝も３勝１敗と王手をかけており、まさに“シンデレララン”と呼ぶにふさわしい快進撃を続けている。

　その原動力となっているのが、今季からサンズに加入したクリス・ポールだ。キャリア16年目を迎えた歴代屈指の司令塔は、平均16.4点、8.9アシストをマークしオールＮＢＡ２ndチームに選出。見事なリーダーシップでチームをまとめ上げ、チームを強豪へと押し上げてみせた。

　これまでのキャリアで、ポールはアシスト王に４度、スティール王に６度輝いたほか、オールスターには11度、オールＮＢＡチームに10度、オールディフェンシブチームにも９度選出。引退後の殿堂入りは確実と言えるほどの輝かしい実績を残している。
  　ただ、そんなポールでも唯一成し遂げていないのがリーグ制覇。そして現在のサンズは、ポールにチャンピオンリングをもたらすことを一番のモチベーションとして戦っているのだという。サンズのエース、デビン・ブッカーは、米メディア『SB Nation』のインタビューに対し、こう答えている。

「バスケットボール選手としてではなく、一人の人間として彼（ポール）を尊敬しているんだ。彼がこれ（優勝）をどれほど望んでいるか、そのためにどれほどの時間を費やしているかは理解しているつもりさ。16年だ、凄く長いよね。

　俺たちがウエスタン・カンファレンス・ファイナルに辿り着いた時、彼は『僕はここに1回しか来たことがない』と言っていた。だから、彼がどれだけ（優勝を）望んでいるかはわかっている。俺たちは彼を支えていくつもりだよ」

　28年ぶりのファイナル進出まであと１勝、そして球団史上初のリーグ制覇まであと５勝に迫っているサンズ。このまま快進撃を続け、ポールとともに勝利の美酒を味わうことができるか。

構成●ダンクシュート編集部

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