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NBA

絶対王者ウォリアーズの衰退で、LAの2チームがウエストの主役に名乗り!【NBAカンファレンス展望】

出野哲也

2019.11.09

オフに大型補強に成功したクリッパーズとレイカーズ。今季はこの2チームがカンファレンストップの座を争うことになるだろう。(C)Getty Images

オフに大型補強に成功したクリッパーズとレイカーズ。今季はこの2チームがカンファレンストップの座を争うことになるだろう。(C)Getty Images

 ここ数年、ウエスタン・カンファレンスの展開を予想するのは難しくなかった。ウォリアーズの戦力が余りにも充実していたため、他の球団は優勝候補に推しようがなく、対抗馬に挙げるのが精一杯だったからだ。そしてそうした予想を裏切ることなく、ウォリアーズは5年連続でカンファレンスを制し、3度の優勝を飾ったのだった。

 だが今季はまったく様相が異なっている。慣れ親しんだオラクル・アリーナを離れ、サンフランシスコへ本拠を移すウォリアーズにもはや絶対的王者の面影はない。17、18年のファイナルMVPケビン・デュラントは「ウォリアーズではずっとよそ者扱いだった」と捨て台詞を吐いてネッツへ移籍。クレイ・トンプソンは前十字靭帯断裂で今季全休も噂されており、黄金期を陰で支えたアンドレ・イグダーラとショーン・リビングストンもいなくなった。昨季開幕時点の〝ビッグ5〞のうち、今季開幕時にはステフィン・カリーとドレイモンド・グリーンの2人しか残っていないのだ。

 とはいえ、このチームは個々の才能だけを頼みに勝ってきたわけではなく、過去5年間で培った戦術や経験も一夜にして失われはしない。「再びアンダードッグになってやる気が掻き立てられた」とグリーンが言っているように、スター軍団でなくなったことでかえって一体感も醸し出されている。

 引き続き指揮を執る名将スティーブ・カーが、ディアンジェロ・ラッセルらの新戦力を上手に馴染ませることができたなら、上位争いに踏みとどまれるだろうし、トンプソンが万全な状態で復帰すればファイナルの舞台に戻ってきても不思議はない。

 
 現時点で優勝候補のトップと目されているのはクリッパーズ。昨季も予想以上に健闘したチームに、ファイナルMVP受賞者のカワイ・レナード、そしてレナードに比肩する実力派オールラウンダーのポール・ジョージが名を連ねたのだから、それも当然だ。

 戦力的なバランスも取れていて、7月末にESPNが実施したアンケート(NBAのコーチとエグゼクティブが対象)でも、20名中13名がクリッパーズのNBAタイトルを予想していた。ただ、ジョージを獲得するために大量のドラフト指名権を手放し、将来を犠牲にしたのも事実。期待が高まっている分、勝てなかった時は失望も大きそうだ。

 FAとなったレナードの獲得に乗り出すも袖にされ、しかも同じロサンゼルスのクリッパーズに奪われてしまい、名門レイカーズのプライドはズタズタになった。それでなくとも昨季は、レブロン・ジェームズを獲得しながらプレーオフにすら進めない大失態を演じていたのだから、まさしく恥の上塗り。

 だが、それこそプライドを賭けてデマーカス・カズンズやダニー・グリーン、カズンズの負傷後はドワイト・ハワードと、名前のあるベテランを次々に補強。レブロンとアンソニー・デイビスの脇を強引に固めた。前述のESPNのアンケートでは、レイカーズ優勝と返答した者は皆無だったけれども、爆発力にかけてはクリッパーズより上かもしれない。
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