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NBA

【欧州ドラフト候補生チェック】“18歳の器をはるかに超える”トルコバスケ界の逸材、アルペラン・センギュン<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.07.04

今ドラフトへのエントリーを決断したセンギュン。1巡目20位近辺での指名が予想されている。(C)Getty Images

今ドラフトへのエントリーを決断したセンギュン。1巡目20位近辺での指名が予想されている。(C)Getty Images

 7月29日(日本時間30日)に開催される、今年のNBAドラフト。過去2シーズンはギリシャ出身のヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)が、今季もセルビア人のニコラ・ヨキッチがシーズンMVPに輝いたように、ヨーロッパ出身選手の活躍が目覚ましい近年、ドラフト候補生にも将来有望な“欧州産の原石”が潜んでいる。この連載では、そんな期待のヤングタレントたちを数回にわたって紹介する。

       ◆       ◆       ◆

 最初に紹介したいのが、“トルコバスケットボール界の未来を担う逸材”と期待されているベシクタシュ所属のビッグマン、アルペラン・センギュンだ。
 
 ドラフトの4日前に19歳の誕生日を迎えるセンギュンは、今季、18歳にしてトルコの国内リーグ、バスケットボールスーパーリーグ(BSL)のMVPに選出された。BSLといえば、今季のユーロリーグチャンピオンのアナドルー・エフェスや、ファイナル4常連のフェネルバフチェを筆頭に、多い時はユーロリーグに4チームを送り込むハイレベルなリーグ。そこで彼はスターティングセンターとしてチームを率い、平均28分のプレータイムでレギュラーシーズンは平均19.2点、9.4リバウンドと、ダブルダブルに迫る数字を叩き出した。

 身長206cmに対し体重は95kgと、フィジカル面はまだまだ鍛える必要があるが、足元のステップは軽妙で、上半身が柔らかく、稼働域が広い。オフェンスリバウンドをゲットするポジショニングセンスに長け、ボールハンドリングも巧みでオープンシューターを見つけてパスも出せる。ディフェンスでの貢献度を上げるといった課題はあっても、オールラウンダーぶりはこの世代では傑出していると言っていい。

 トルコの北側、黒海沿岸の街ギレスンで生まれたセンギュンは、幼少時から両親の勧めで水泳を習っていた。しかしバスケットボールをやっていた兄の練習を観に行くうちに興味を持ち、8歳の頃から自分もプレーするようになる。やがて水泳との両立が難しくなると、彼はバスケットボールを続けることを選んだ。
 
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