東京五輪

“ドリームチーム”は過去のもの。アメリカを撃破したフランスのフォーニエ「チームとしては倒すことができる」<DUNKSHOOT>

ダンクシュート編集部

2021.07.26

28得点をあげたフォーニエの活躍もあり、フランスがアメリカに勝利。波乱の大会を予感させる幕開けとなった。(C)Getty Images

 東京オリンピックの男子バスケットボールは7月25日、予選ラウンド初戦を迎え、グループAとグループBの4試合が行なわれた。

 最初の3試合は順当にチェコ(vsイラン/84-78)、イタリア(vsドイツ/92-82)、オーストラリア(vsナイジェリア/84-67)が勝利を収めたが、最後のアメリカvsフランス戦で波乱が待っていた。

 FIBAランキング1位で大会3連覇中のアメリカは、同7位のフランスに対し、前半45-37とリードしながらも、後半に崩れてまさかの逆転負け(●76-83)。ケビン・デュラントは21分の出場で10得点(フィールドゴール4/12、3ポイント1/6)、5ファウル、デイミアン・リラードは28分で11得点(フィールドゴール3/10、3ポイント3/9)、4ターンオーバーと、頼りの得点源が不発に終わった。

 特に終盤の失速が致命的で、72-67と5点リードを奪った残り4分からフィールドゴールを1本も決められず、得点はフリースローの4点のみ。逆転を狙った最終盤の3ポイント攻勢もことごとくリングにはじかれ、最後は為す術なくタイムアップを迎えた。
 
 一方、絶好のスタートを切ったフランスは、216cmの大黒柱ルディ・ゴベアを中心とした高さとハッスルプレーで、2年前のワールドカップに続きアメリカから2連勝。終盤に単発の攻撃が続いた相手に対し、的確なパス回しからシュートを沈め、最後の4分間は16-4のランで締めくくった。

 ゲーム最多となる28得点(フィールドゴール11/22、3ポイント4/12)をあげて勝利の立役者となったエバン・フォーニエは試合後、いたって冷静にコメント。

「彼ら(アメリカ代表)は個人としては優れているが、チームとしては倒すことができる」

 さらに、「素晴らしい勝利だけど、(あくまで)予選ラウンドの1勝」と浮かれる様子はなかった。

 アメリカ代表は過去19大会中15個の金メダルを獲得しており、今大会も12選手のうちNBAのオールスター経験者9人を揃えるが、この日のフォーニエやゴベアのように、今や世界各国にNBAの主戦級が名を連ねている。かつての"ドリームチーム"のような、対戦相手ですら憧れを抱く時代はとうに終わりを迎え、"打倒アメリカ"が簡単に起こりうることを改めて示した開幕戦となった。

構成●ダンクシュート編集部