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東京五輪

バスケ日本代表、スロベニア戦の収穫は「田中と比江島に積極性が見えたこと」。次戦の鍵は「リバウンドと第3の男の台頭」【東京五輪】

ダンクシュート編集部

2021.07.31

八村はスロベニア戦で34得点と大暴れ。初戦では存在感が薄かった比江島(右)も10得点と奮闘した。(C)Getty Images

八村はスロベニア戦で34得点と大暴れ。初戦では存在感が薄かった比江島(右)も10得点と奮闘した。(C)Getty Images

 バスケットボール日本代表は1976年以来、45年ぶりにオリンピックの大舞台で戦っている。初戦でスペインに善戦し、迎えた2戦目スロベニア戦は、81-116と大差で敗れて2連敗を喫した。日本のパフォーマンスは識者の目にはどう映ったのか?NBA解説者の中原雄氏にスロベニア戦の戦いを振り返ってもらった。

   ◆   ◆   ◆

 日本代表のオリンピック第2戦はスロベニアに前半から2桁のビハインドを背負い、最終的に35点差で敗れた。ただ、点差が大きく開いたのは第4クォーターの試合の体勢が決まった後で、新たな収穫もあった。

 この日もエースの八村塁は34得点と爆発し、渡邊雄太も17得点とNBA選手2人は期待通りの活躍。さらにスペインとの初戦では存在感が薄かった田中大貴は序盤から積極的にシュートを放ち、控えの比江島慎も高確率でジャンパーを決め、守備でも精力的なプレーを披露したことはポジティブな材料と言える。シュートは打たなければ決まらないだけに、次戦もこれを意識して続けていきたい。

 一方、馬場雄大はゴールに果敢にアタックしていたが、ルカ・ドンチッチに格の違いを見せつけられた。エドワーズ ギャビンはケガもあって2得点、1リバウンドにとどまり、初戦でテンポ良くシュートを決めていた金丸晃輔は無得点に。また、先述の田中も第1クォーターに2本連続で3ポイントを決めるなど好調だったものの、ファウルトラブルでプレータイムが制限。彼がコートに立ち続けていれば、もう少し違う展開になっていただろう。
 
 前半からスロベニアに主導権を握られた日本は、それでも八村の奮闘もあって何とか食らいついていた。勝負の分かれ目となったのは、第3クォーターにドンチッチがファウルトラブルでベンチに下がった場面だ。相手のエースが退き、日本にとって点差を縮める大きなチャンスが訪れたが、オフェンスが停滞。それをディフェンスでも引きずってしまい、逆に点差を広げられて試合は決まった。

 ディフェンスではドンチッチに25得点と“大爆発”こそ許さなかったが、ドライブに対するカバーリングが上手くいかず、何度もほかの選手たちにフリーで3ポイントを打たれてしまった。さらにシュートが外れてもリバウンドで33-54(オフェンシブ・リバウンドは9-17)と圧倒され、セカンドチャンスから20点(日本は4点)を献上している。

 NBAでも相手に50本以上のリバウンドを奪われて勝つケースはほとんどない。個人的にリバウンドに大切なのはサイズではなく、“取りにいく”という意識の強さだと思っている。ドンチッチのような超一流のスーパースターでもシュートの半分はミスする。日本はリバウンド数をイーブンは難しいにしても、せめて一桁差に縮めなければ勝利は見えてこないだろう。

 そのほか、フィジカルの差など両チームの差を挙げればキリがないが、予選ラウンドはあと1試合。田中、比江島というガード陣の積極性はスペイン戦にはなかった部分だった。八村、渡邊以外の選手が2本、3本とシュートを決めていけばオフェンスにリズムが生まれるため、明日のアルゼンチン戦では“リバウンド”、そして攻撃で“第3の男”のさらなる台頭が不可欠となる。

総括●中原雄 構成●ダンクシュート編集部 
 

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