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東京五輪

因縁のアメリカとの対戦に挑むスペインのマルク・ガソル「どこが相手だろうと倒すだけ」【東京五輪】

秋山裕之

2021.08.03

2008、12年の五輪でアメリカと対戦経験のあるスペインのガソルだが、「ここまできたら、対戦カードは関係ない」と語った。(C)Getty Images

2008、12年の五輪でアメリカと対戦経験のあるスペインのガソルだが、「ここまできたら、対戦カードは関係ない」と語った。(C)Getty Images

 8月1日、東京五輪の男子バスケットボールは予選リーグが終了した。グループAはフランスとアメリカ、Bではオーストラリア、イタリア、ドイツ、Cからはスロベニア、スペイン、アルゼンチンが勝ち上がった。8か国によるトーナメント戦は3日からスタートする。

 2019年のワールドカップ王者スペインは、因縁の相手アメリカとの対決となった。世界ランキングでは1位がアメリカ、スペインは2位につけているが、五輪とワールドカップにおける戦績は、前者が16勝2敗と圧倒している。

 08年の北京、12年のロンドンでは決勝、16年のリオでは準決勝で戦い、いずれもアメリカが勝利しているほか、今大会前のエキシビジョンゲームでもスペインは76-83で敗れている。

 だが先発センターのマルク・ガソル(ロサンゼルス・レイカーズ)は、「金メダルを勝ち取ろうとしているなら、どこが相手だろうと倒すだけ。ここまできたら、対戦カードは関係ないのさ」と気合い十分だ。

 とはいえ、アメリカ代表もフランスとの初戦に敗れてから2連勝と調子を上げている。記者から「このチームにどれくらい自信がある?」と聞かれたドリュー・ホリデー(ミルウォーキー・バックス)は「かなり自信がある」、ケルドン・ジョンソン(サンアントニオ・スパーズ)は「僕らは銅メダル、銀メダルを勝ち取るつもりはない」と自信をのぞかせていた。

 グループリーグ最終戦でアメリカに敗れたチェコのトーマス・サトランスキー(シカゴ・ブルズ)は、バスケ大国を次のように評している。
 
「あのチーム最大の強みは、全員が輝くことができること。アメリカ代表とその他の国におけるギャップはサイズだけど、彼らはスキルが備わった選手たちを抱えている。だから僕にとっては彼らが金メダル候補だ。簡単にはいかないだろうけどね」

 アメリカは準々決勝で優勝候補のスペイン、そこで勝てば準決勝でオーストラリアとアルゼンチンの勝者と激突するだけに、金メダルを勝ち取るためには険しい道のりが待ち受けている。

 ホリデーは「(フランスに)負けたことが、僕らの成長を助けてくれた。あの負けがあったから、自分たちは細部にも注意を払って集中できることができているし、何が間違っていたのかを認識することができた」と語っており、初戦の敗戦を機にアメリカは1ランク上のチームになったと言える。

 エースのケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)には徹底マークが敷かれることが容易に想像できるが、チームにはデイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)など、大量得点を稼げる選手が数多くいる。

 対するスペインもリッキー・ルビオ(クリーブランド・キャバリアーズ)、ヴィリー・エルナンゴメス(ニューオリンズ・ペリカンズ)、元NBA選手のパウ・ガソル(マルクの兄)ルディ・フェルナンデス、セルヒオ・ロドリゲスら実力者揃いだけに、ハイレベルな戦いが期待できそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)
 

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