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「選手の個性が強烈でいつも楽しかった」元アメリカ代表のヒルが1996年の五輪を回想<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.08.19

ヒル(右)1996年五輪のアメリカ代表の練習では常にピッペン(左)とマッチアップしていたという。(C)Getty Images

 今年4月、USAバスケットボールは東京オリンピック開幕の3か月以上も前に、ジェリー・コランジェロの後任として、マネージングディレクターにNBAレジェンドのグラント・ヒル(元デトロイト・ピストンズほか)が就任することを発表していた。

 1994年のドラフト3位でピストンズから指名されたヒルは、デューク大時代に2度のNCAAトーナメント制覇を果たしたエリート。ルーキーシーズンに平均19.9点、6.4リバウンド、5.0アシスト、1.8スティールを残し、ジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックスほか/現ヘッドコーチ)とともに新人王を獲得した。

 その後もリーグ最高級のオールウラウンダーとして活躍し、オールスターやオールNBAチームに複数回選出。2000年のプレーオフで足首を痛めたことを機に、ケガで長期欠場を余儀なくされ、スーパースターからスターター、ロールプレーヤーへと転落も、キャリア終盤にはフェニックス・サンズ、ロサンゼルス・クリッパーズで老獪なディフェンスに秀でたベテランとして活躍し、18年にバスケットボール殿堂入りを果たした。

 東京オリンピックでアメリカ代表が大会4連覇を飾り、コランジェロからマネージングディレクターの職を引き継いだヒルは、8月18日に『BASKETBALLNEWS.COM』のクリス・シェリダン氏のインタビューに応じ、自身が出場した96年のアトランタ・オリンピックについてこう回想していた。
 
「あのチームについて何が一番強烈だったか、それは選手たちの個性だね。チャールズ・バークレー、シャキール・オニール、レジー・ミラー、ゲイリー・ペイトンがいたんだ。グループとして共に過ごしていて、いつも楽しかったし、笑い合っていたよ。今のようにソーシャルメディアもなかったから、当時は互いのことをよく知らなかったんだ」

 96年のアメリカ代表は、92年のバルセロナ・オリンピック、94年の世界選手権(現ワールドカップ)に次いで‟ドリームチーム3"と称され、8戦無敗で大会2連覇を達成。

 ロースターにはトラッシュトークの達人で、強烈なキャラクターを持ち合わせていたバークレー、ミラー、ペイトンに加え、当時リーグ屈指の若手だったシャック、アンファニー‟ペニー"ハーダウェイ、2年目を終えたヒルがおり、他にもスコッティ・ピッペン、カール・マローン、ジョン・ストックトン、アキーム・オラジュワン、デイビッド・ロビンソン、ミッチ・リッチモンドと錚々たるメンバーがいた。

「でも僕が覚えているのは、練習が素晴らしいものだったということかな。毎回ピッペンとマッチアップしていたんだ。僕らは皆、25年経った今でもその時の関係が続いているんだ」とヒル。
 
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