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NBA

パーカーが「20年に1人」と太鼓判を押す未来のドラフト1位候補!逸材ウェンバンヤマは17歳ながらすでに身長220センチ<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.08.30

17歳ながらすでに身長220センチのウェンバンヤマは、今季からパーカーがオーナーを務めるフランスのアスベルでプレーする。(C)Getty Images

17歳ながらすでに身長220センチのウェンバンヤマは、今季からパーカーがオーナーを務めるフランスのアスベルでプレーする。(C)Getty Images

「フランスで20年に1人の逸材」

 NBAのサンアントニオ・スパーズで4度のチャンピオンに輝いたトニー・パーカーが太鼓判を押す、17歳のビッグマン、ビクトール・ウェンバンヤマ。

 フランスのレジェンドであるパーカーはこの夏、自身がオーナーを務めるフランスのクラブチーム、アスベルにこの期待の新鋭を招き入れた。ということは、今シーズン、ユーロリーグの舞台で、彼の姿が見られるということだ。

 身長220センチ、ウイングスパンは240センチに迫る。ただ本人は「サイズは関係ない」と語るように、俊敏な動きやボールハンドリング、ロングシュートなど、ガード並の働きも得意とする、まさにモダンバスケットボールを象徴するビッグマンだ。

 ウェンバンヤマは、2004年にパリ郊外で生まれた。母がバスケットボール選手で、姉のエヴァも、17年のU16欧州選手権で優勝したフランス代表のメンバー、というバスケ一家だ。

「子どもの時からいつもボールで遊んでいたから、シュートやドリブルは自然に覚えた」という彼が真剣にバスケットボールを始めたのは、10歳でパリ郊外にあるプロクラブ、ナンテールの下部組織に入団してからだった。

 14歳の時にはバルセロナでテストを受けたが、家族はナンテールでキャリアを積み上げることを選択した。同じく若くして注目されていたルカ・ドンチッチは、13歳でスロベニアからレアル・マドリーに飛び立ったが、ウェンバンヤマ家がとったのは別の選択肢だった。
 
 彼が若くして注目されていた理由はやはりそのサイズで、15歳の誕生日を迎える頃には、すでに身長は218センチに達していた。

「僕のプレーを見たことがない人は、ただ身長が大きいということで注目して、それだけで僕がプロスペクトだと言っているのだと思う」

 19年、イタリアのウディネで行なわれたU16欧州選手権で国際トーナメントにデビューした彼は、自身をとりまく喧騒について、冷静に分析している。この大会で彼は、平均9点、9.6リバウンド、5.3ブロックという成績を残し、フランスは準優勝を収めた。

 平均5.3ブロックは驚異的な数字で、これはウェンバンヤマの得意技のひとつだ。彼の長い腕がボールの軌道を遮り、面白いように相手のシュートをはたき落とす。その長さが大きな武器であるのはもちろんだが、シュートのタイミングに合わせていいポジションに走り込むセンスも傑出している。

 これはバスケを始める前にプレーしていたサッカーの経験が役立っていると、ウェンバンヤマは語る。サッカー時代のポジションは、想像に難くないゴールキーパー。シュートに機敏に反応してブロックするGKの動きが、飛球にタイミングを合わせて動く感覚を養ったのだ。
 
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