NBA

【名作シューズ列伝】東京五輪でデュラントが着用予定も、延期で“幻のモデル”になった「KD13 EP」

西塚克之

2021.09.07

デュラントは1年延期された東京五輪で平均20.7点をマークし、アメリカを大会4連覇に導いた。(C)Getty Images

 人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり! 

 2020年2月、東京五輪に向けたアメリカ代表候補44人が発表。そのなかにはレブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、アンソニー・デイビス、ポール・ジョージ、ジェームズ・ハーデン、カイリー・アービング、カワイ・レナード、クリス・ポール、ラッセル・ウエストブルックなど多くのビッグネームが名を連ねていました。

 ところがその1か月後に新型コロナウイルスの影響でNBAの2019-20シーズンは中断し、リーグはスケジュールやフォーマットの変更を余儀なくされます。

 結局シーズンが幕を閉じたのは10月(通常は6月)。1年先延ばしになった五輪において、上記の選手たちは休暇や個人的な理由で出場を辞退しました。

 そんななか、ケビン・デュラントは早い段階でチームUSAの参加を決意し、東京に乗り込みます。ただチームは予選ラウンド初戦で、フランスにまさかの敗北。大会前のメンバー離脱、準備期間の短さゆえのケミストリー不足、そして他国のレベルアップもあり、大会4連覇に暗雲が立ち込めました。
 
 しかし、アメリカはこの敗戦を機に一致団結。続くイランとチェコに快勝すると、決勝ラウンドではデュラントが躍動します。

 12年のロンドン、16年のリオ大会でも見事なパフォーマンスを披露した万能スコアラーは、スペインとの準決勝で29得点、4アシストをあげ、準決勝ではオーストラリア相手に23得点、9リバウンドで勝利の立役者に。

 決勝で激突したのは初戦で苦杯を舐めたフランス。バスケ大国のプライドをかけた大一番で、デュラントはチームトップの29得点に6リバウンド、3アシストをあげて母国に金メダルをもたらし、大会のオールスターチームとMVPに選出されました。



 今回紹介する「KD13 EP」は、20年8月に五輪モデルとしてリリースされました。紺、赤、白のアメリカ代表カラーに彩られた1足は、シュータンとインソールに「KEVIN DURANT No.7」、ヒールに「kd」マーク、アウトソールのパーツにオートグラフがシンプルかつセンス良く配置されています。
 
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BOXは上品な仕上がりに