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NBA

一般客に混じり試合観戦、街中での“神対応”…“気さくなスーパースター”アデトクンボが話題に<DUNKSHOOT>

小川由紀子

2021.09.27

一般客に混ざって弟の試合を観戦したヤニス。そんなエピソードからも、彼の気さくな人間性が伺える。(C)Getty Images

一般客に混ざって弟の試合を観戦したヤニス。そんなエピソードからも、彼の気さくな人間性が伺える。(C)Getty Images

 田舎町にある小学校の体育館ほどのアリーナで、目の前にNBAのMVP受賞者が座って観戦していたとしたら――これが先週の金曜日、フランスにある人口8000人の小さな町フールで実際に起こった。

 8000人といったら、町中の人が全員残らず集合しても、NBAのアリーナを半分満たせるかどうか。そんな町にあるキャパシティ1300人のアリーナに、2シーズン連続(2019、20年)でMVPに輝いた、“グリーク・フリーク”ことヤニス・アデトクンボが降臨した。

 9月24日の夜、リヨン郊外のフールで、フランスチャンピオンのアスヴェルと、今シーズンからトップリーグに昇格したフォス・プロヴァンスのプレシーズンマッチが行なわれた。ヤニスはそこに、今夏ロサンゼルス・レイカースからアスヴェルに移籍した弟のコスタスの応援に訪れたのだった。

 大仰なガードマンをつけるわけでもなく、模様の入った布製マスクにパーカーというラフな出で立ちで、パートナーと1歳になる息子とともに観客に混ざってスタンドに座っていたヤニス。立ち上がった際に211センチの長身が目立たなければ、誰だかわからないほど自然に溶け込んでいた。
 
 試合は80-73でフォス・プロヴァンスが勝利。惜しくも敗れたコスタスだが、この試合では10得点をマークし、兄が見守る前で豪快なダンクもかましてみせた。

 試合後にコート上へ招かれたヤニスは、フォス・プロヴァンスの選手たちやキッズチームと記念撮影をしたり、アリーナの外に出てからも、気さくにファンへのサインやセルフィー撮影に応じた。間近で拝める機会などめったにないNBAの大スターに、手を伸ばせば届く距離で接することができたフールの人たちにとって、この日は生涯忘れられない1日となったことだろう。スタンドでヤニスの後ろに座っていた観客の1人は「ヤニスのすぐ後ろに自分が座っているなんて……これでもう安らかに死ねる」とSNSに投稿したほどだ。

 ヤニス一家は数日前からコスタスの新天地となったリヨンに滞在し、家族3人でセンター街を歩く姿も目撃されていた。バスケファンの学生は『「もしやヤニスでは?」と思いつつも誰も気づいていない様子だったし、まさかこんな繁華街で普通にショッピングしているとは信じられなかったが、勇気を振り絞って声をかけたらまさしく本人だった』と地元紙に体験談を語っている。

 ヤニスはとても気さくに会話に応じ「応援してくれてありがとう」という感謝の言葉とともに握手をかわしてくれたという。最初は「家族が一緒だから……」と躊躇ったセルフィーにも結局応じてくれたそうだ。
 
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