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NBA

「肩の荷が下りることはない」アデトクンボの尽きない“ハングリー精神”<DUNKSHOOT>

秋山裕之

2021.09.28

連覇を狙うバックスのエースに“満足”の2文字はないようだ。(C)Getty Images

連覇を狙うバックスのエースに“満足”の2文字はないようだ。(C)Getty Images

 昨季のNBAファイナル第6戦、ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは、フェニックス・サンズを相手に50得点、14リバウンド、5ブロックの超絶パフォーマンスで105-98の勝利へと導き、バックスに1971年以来となるチャンピオンシップをもたらした。

 アデトクンボはこれまで最優秀躍進選手賞(2017年)、レギュラーシーズンMVP(19、20年)、最優秀守備選手賞(20年)、オールスターMVP(21年)と様々な賞を獲得してきたが、そこにファイナルMVPという新たな勲章を加えた。

 とはいえ、“グリーク・フリーク”はアトランタ・ホークスとのカンファレンス・ファイナル第4戦で左ヒザを負傷して2試合を欠場。そこから懸命なリハビリによってファイナル初戦から復帰し、シリーズ平均35.2点、13.2リバウンド、5.0アシスト、1.2スティール、1.8ブロックを叩き出したのだから末恐ろしい。

 現地9月27日(日本時間28日)に行なわれたメディアデーでアデトクンボはヒザの状態について「大丈夫」と切り出し、こう続けていた。

「また痛みを感じたり、同じようなことが起こるかもしれない。その時は自分の身体に聞いてみるよ。痛みがある時というのはこれ以上やるなと身体が僕を守ろうとしているということだからね」

 それでも、コンディションは良好のようで、「結局のところ、フィジカルとメンタルの両面でいい感じさ。100%になるためなら何でもするさ」と語った。
 
 バックスはアデトクンボ、クリス・ミドルトン、ドリュー・ホリデーという3本柱が今季も健在。その周囲にはブルック・ロペスやボビー・ポーティス、ドンテ・ディヴィンチェンゾ、パット・カナトンの既存戦力のほか、ジョージ・ヒルやシェミ・オジェレイ、グレイソン・アレン、ロドニー・フッドといった新戦力を加え、依然としてリーグ屈指の戦力を有している。

 とはいえ、イースタン・カンファレンスには超豪華戦力を誇るブルックリン・ネッツや、昨季イースト1位の戦績を残したフィラデルフィア・セブンティシクサーズ、伸び盛りのホークスやベテランを補強したマイアミ・ヒートといったチームが虎視眈々と王者を引きずり下ろすべく立ち向かってくる。

 だが昨季優勝したからといって、アデトクンボとバックスが油断することはなさそうだ。

「僕はキャリアで(数々の賞を)手にしてきた。だからこそ、今この場所にいることができている。でも肩の荷が下りることはないんだ。役割は同じだと感じている。確かに、僕らはチャンピオンだ。でも役割が変わることはない。向上していくのみだよ」

「僕らが満足してるかって? いや全然。満足には程遠いね。僕らはチームとして雰囲気を方向づけなきゃいけない。それは僕がやることなんだ。相手チームが僕らに立ち向かってくることは分かっている。それに向けて準備していくだけさ」

 万能戦士のアデトクンボ率いる王者は連覇に向け、ライバルチームやアップセットを狙うチームを返り討ちにすべく、入念に準備を進めていくに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)
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